最も危険な政治フィクサー「バノン」
報道ニュースの二極化
「最も危険な政治フィクサー」、といったハリウッド映画タイトルのような派手な見出しはアメリカらしい。
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いっそのこと日本のメディアもそれに倣って「豊州の豊かな地下資源、シアンベンゼン鉛ヒ素」、と大見得を切って見出しでもかくか。まそんな勇気もないメディア。

だらだら大統領選挙アメリカも、飽きてきたようで、表現が過激なわりに、ちっとも進まない。そんな停滞世相を反映して「冷泉氏」が現地リポートしている。

「冷泉氏」の見方では「いずれにしても、この選挙戦の「シラけたムード」というのは尋常ではない。」、と閉めている。

とそれを読むと、ああアメリカも長丁場も持たないのか、と思ったが、それと真っ向対立する記事がある。

形勢不利なトランプ陣営に、アメリカきってのダーティー野郎が乗り込んだ、と60年前のテレビ西部劇を匂わすようなストーリー展開だ。

でどちらが本当なんだ。

またある報道ではトランプ氏は、大統領なんぞ、なる気はなく事業展開のためのポーズ作戦だと。まあ、それもまんざらでもなさそうな話に思えてくるし、とどのつまり、アメリカシンクタンクが仕組んだ巧妙な選挙戦だった、というオチにならなければいいが。


トランプは「降りた」のか?アメリカ大統領選・現地レポート
冷泉 彰彦 2016.08.30

アメリカ大統領選は4年に1度、夏季オリンピックの年に行われる。オリンピックの大好きなアメリカ人は五輪期間中はTVに夢中になるので、選挙戦どころではなくなる。そこで、前回の2012年までは五輪の終わった8月末か9月初旬に党大会をやっていた。

 今回は、本選の期間を長く取ろうということで五輪の前に党大会をやったが、いずれにしても五輪期間中は事実上「政治休戦」になる。ところが、今回はその点でも異変が生じている。というのは五輪が終わったのに、選挙戦が盛り上がらないのだ。

 基本的な構図は8月を通じて変化がない。トランプの支持率は低下傾向で、ヒラリー優位。そんな中、トランプにはスキャンダルの材料が出続ける。ヒラリーの側にもスキャンダルが出るがトランプの低迷で帳消しになる。全体として、意味のある政策論争はないし、シリア情勢など最新の重要なテーマが論点になることもない、そんな感じである。

 もっとも、変化はないわけではない。一つの大きな変化は、トランプ陣営の選対本部長がまた更迭されたということだ。初代のコーリー・ルワンダウスキーは、暴言や暴力行為が批判され、また共和党の主流と対立したことで更迭された。二代目のポール・マナフォートは、ブッシュ(父)などの選対を務めた大物という触れ込みだったが、ウクライナの親ロシア勢力との金銭的癒着を問題視されて更迭されている。
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 そこで登場したのが、不思議なコンビである。新たに選対のCEOに就任したのは、保守系サイト「ブライトバート・ニュース」を事実上経営しているスティーブン・バノン、そして選対本部長には保守系のケリーアン・コンウェイという組み合わせだ。この体制になって数週間が経つが、選対を代表してメディア対応をしているのは、主としてコンウェイの方だ。

 このコンビの何が不思議なのかというと、意外と丁寧な動きをしているということがある。前任のマナフォートが選挙参謀として「一流」の経歴を誇っていたのに対して、バノンもコンウェイも、立ち位置としては「新興メディアの右派論客」、つまり日本で言えば「ネトウヨの親玉」というところであり、下手をすればトランプの「暴言」を煽るのかと思うと、どうも動き方はその反対なのだ。

 例えば、コンウェイの忠告を聞いたトランプは「過去の暴言を謝罪」しているし、またルイジアナ州で深刻な洪水被害が出た際には、トランプ自身に慰問をさせている。こうした動きは、これまではなかったことだ。

 散々言ってきた「不法移民の強制送還」という政策についても、「家族離散は良くない」としてトーンダウンを示唆しているし、黒人コミュニティに和解を呼びかけたりと、「方向を修正」する気配も見せている。

 では、トランプの言動が「中間層の嫌悪感を払拭できる」ぐらい洗練されて「大統領らしく」なってきたかというと、そういうわけではない。演説会では、相変わらずヒラリーのことを口汚く罵っているし、不用意な暴言ツイートは完全に止まってはいない。

 一体陣営に何が起きているのだろうか?

 一つの可能性は、事実上「降りた」、つまり本人も周囲も、そして新しい選対の二人も、「このままでは当選は無理」という事実を直視し始めたという見方ができる。本来であれば、もっと信頼に足る政策パッケージを公表し、共和党の議員団ともあらためて政策の調整を行って選挙戦の相乗効果を出していく、そして中間層にもアピールするように、コミュニケーションのスタイルにも大きな変化をつける、そうしたドラスティックな方向転換が必要なはずである。

 だが、もしかしたら「大人」であるバノンとコンウェイは、その点を諦めているのかもしれない。その上で、トランプを出来る限り「穏健な姿勢」にシフトさせつつ、コアなファンの集まる集会で「アドリブ暴言」が飛び出すのは目くじら立てない、そんな「妥協的な姿勢」を取って、11月の投票日まで安全運転をという、そんな気配を感じる。

 その一方で、ヒラリーの方は、特にバノンを敵視しており、「悪質な白人至上主義者」が参加してトランプ陣営はますます危険になった、そのような言い方で批判を強めている。リベラルの観点から見れば、そうした「罵声」を使えば自陣営の結束は高まるのかもしれない。だが、結果的にまともな政策論争が行われないまま選挙戦が進行しているとしたら、ヒラリー陣営にも責任はある。

 一つ印象的だったのは、トランプの現在の妻であるメラニア夫人のスキャンダルについてだ。英国の保守系タブロイド紙の『デイリー・メール』が、夫人が90年代に「エスコート・クラブ(一種の売春組織)」で働いていたという報道をしている。事実なら大問題である。当然、メラニア夫人の周辺は激怒しており、訴訟の準備に入っているようだが、不思議なことに、アメリカのメディアはこの件については静観の構えなのだ。

 もちろん、将来のファーストレディーに対して、外国のメディアがそんな記事を載せるのは失礼で不愉快ということはあるだろう。また材料として品がなさ過ぎるということもある。だが、メディアの鈍い反応の背景には、「どうせファーストレディーにはならないのだから、目くじら立てるほどのことはない」という感覚が透けて見えるようにも思える。一方で、「仮に事実ならやっぱり」という感覚もないわけでもない。

 いずれにしても、依然として選挙戦の報道を続けるメディアの陰で、有権者はかなり白けているというのが実情のようだ。一方で、共和党の議員団、とりわけ上院の改選議員たちはお尻に火がついてきた。現職優位の下院はともかく、一州一議席を争う上院では、トランプの影響で民主党が盛り返している。

 政治サイト、「エレクトラル・ヴォート・コム」の集計では、現時点での情勢は、定員100の上院について「民主党50、共和党49、タイ11」となっているという。これでは2014年にせっかく獲得した共和党の多数党の座が崩壊してしまう。当落線上の議員としては、なりふり構わず「自分はトランプとは無関係」として共和党の基礎票を固めつつ、無党派層に嫌われないように必死なのだ。

 いずれにしても、この選挙戦の「シラけたムード」というのは尋常ではない。(記事引用)
 
ドナルド・トランプ氏、「最も危険な政治フィクサー」起用で過激路線復活か

アメリカ大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏が8月16日、選挙陣営の幹部を刷新した。劣勢に立たされた大統領選で、状況を好転させるための必死の試みだ。

トランプ氏は、保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のスティーブン・バノン会長を選挙対策本部の最高責任者(CEO)に、共和党の世論調査専門家で同党の顧問を務めてきたケリーアン・コンウェイ氏を陣営の責任者に任命した。

バノン氏はかつて海軍に所属し、ゴールドマン・サックスで勤務したこともある。バノン氏が運営する「ブライトバート・ニュース」は、トランプ氏を支持し、共和党の主流派やイスラム教徒を攻撃する過激な保守派のサイトだ。政治経験がないバノン氏を起用したことで、トランプ氏は強引で対立を招く方法で大統領選を闘うとみられる。

無鉄砲な保守派として知られるバノン氏は、ポピュリストとナショナリストへ共感を示しており、以前から共和・民主両党から嫌われる存在だった。さらにトランプ氏と同じく、バノン氏も政界のエスタブリッシュメント(既得権益層)を攻撃している。17日の声明では、バノン氏がかつて自身が「アメリカで最も危険な政治フィクサー」と呼ばれていたことを自慢気に語った。

しかし昔からのトランプ氏の支援者や支持者らは、バノン氏が起用されたことを懸念している。「バノン氏は、トランプ氏の最も悪い部分を引き出すことになる」と、ある情報筋は語る。

トランプ氏がバノン氏を起用する前、2人は何カ月も話し合っていた。ワシントン・ポストによると、バノン氏は衝動的でカッとなりやすいトランプ氏に、発言を控えろと言う人は無視するようにと勧めたという。

このアドバイスはトランプ氏の心に響いた。彼は選挙期間中「ピボット」と呼ばれるのを嫌っていた。「私は私だ」とトランプ氏は16日、ウィスコンシン州で行われたテレビ局のインタビューで語った。「私は変わりたい訳ではない。みなさんは『ああ、あなたは方向転換するのか』と言うが、方向転換はしたくない。政策を転換するのは、国民に対して不誠実だ」
(記事部分引用)

当サイト「スティーブン・バノン」の検索が引きも切らない。異常な数の検索数だ。バノンの詳細を調べよう検索すると、自分の記事がそこにあり、それでは堂々巡りで、情報精査ができない。そこでネットの片隅に寝ている細かなネタを根気よく追ってと、バノンに関する情報でITメディア界の大物、「ルパート・マードック」に行き着いた。

知る人ぞ知る、アナログ時代のメディア界ケーブルテレビ網を敷いてメディア世界を牽引する超大物であり、いまでもその影響力は失せることがない。

そのもう一方の一翼を担うメディアの巨頭「デット・ターナー」とはアメリカメディア界を二分する。
※ロバート・エドワード・ターナー三世(Ted Turner、Robert Edward "Ted" Turner III, 1938年11月19日 -)はアメリカのメディア業界人。実業家。CNN創業者。国際連合など国際機関に多額の寄付をしていることでも知られる。オハイオ州シンシナティ生まれ。
自殺した父親の遺産を24歳の時に相続し、それを元手に1970年にアトランタのテレビ放送局を買収し、放送局事業に参入。その後これを元に創業したCNNは世界初のニュース専門局として発展。キャスターに有色人種を多用するなど、放送業界やテレビジャーナリズムを大きく変革させた。他にCNNよりも多くの国で放送されているアニメ専門チャンネルカートゥーン ネットワークらも創業している。1996年アトランタオリンピック開催にはその意向が反映されていた。
(ウィキぺデア)

以下、記事部分引用による。

(画像はバノン...誰かに似てるなとおもったら秋元康。品のない悪質な冗談か?!? )
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トランプ氏は、保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のスティーブン・バノン会長を選挙対策本部の最高責任者(CEO)に、共和党の世論調査専門家で同党の顧問を務めてきたケリーアン・コンウェイ氏を陣営の責任者に任命した。バノン氏はかつて海軍に所属し、ゴールドマン・サックスで勤務したこともある。バノン氏が運営する「ブライトバート・ニュース」は、トランプ氏を支持し、共和党の主流派やイスラム教徒を攻撃する過激な保守派のサイトだ。

トランプ氏の選挙陣営刷新、背後に元FOXニュースCEO-関係者
 Bloomberg Jennifer Jacobs、Kevin Cirilli 
2016/08/17  msn
 (Bloomberg)米大統領選挙の共和党候補、ドナルド・トランプ氏は17日、選挙陣営の首脳部を刷新し一部の幹部を実質降格させるとともに、筋金入りの保守派の旗手としてインターネットで知られる人物を起用した。
  右派系サイト、ブライトバート・ニュースの会長で元ゴールドマン・サックスのバンカーだったスティーブン・バノン氏は、トランプ陣営の最高責任者に指名された。事情に詳しい関係者によれば、元FOXニュース最高経営責任者(CEO)のロジャー・エイルズ氏が苦戦しているトランプ氏に劇的な変革を促した。
  7月からトランプ氏のシニアアドバイザーを務めている世論調査専門家、ケリーアン・コンウェイ氏は選挙対策本部長に昇格した。
  新たな首脳部は徹底的な反体制の姿勢に立ち戻る計画。トランプ陣営の会長を務めるポール・マナフォート氏はこれまで、形式的で挑発的発言を抑えたアプローチに移行しようと取り組んでいたが、この路線が変更されると関係者は話した。(原題:Trump Shakes Up Staff After Ailes Is Said to Urge Big Changes)(抜粋)

ウィキぺデア~
報道姿勢(FOX効果)

FNCの報道について、保守的・共和党寄りであり、2000年代前半には視聴率競争でCNNを打ち破り、「FOX効果」が注目された。
ルパート・マードックの意向もあってアメリカ同時多発テロ事件を機に、愛国心一色の報道姿勢を明確にした。テレビ画面に放送局のロゴが表示されるが、終日星条旗を流し始めたのはFNC、および同時放送していた地上波のFOXテレビ(同じくニューズ・コーポレーション傘下)だった。

イラク戦争でもテーマ曲を勇ましいマーチにしたり、米軍がイラク大統領官邸に突入する模様を独占中継に成功、退役軍人をコメンテーターに起用する(これはどこも同じ)などの姿勢を続けた。
イラク戦争はFNCがCNNより多くの視聴者を獲得。一方でイラク戦争において、衛星中継車まで同行した従軍報道は連合軍の立場に沿った取材・中継となった事、CNNでアメリカにとって都合の悪いニュースを放送するにも細部のルールを用いて細心の注意を払っていた事が明らかになる、など一連の報道姿勢が注目された。
これをFNCが9・11からの愛国色の強い報道姿勢に倣って継承していったとして、「FOX効果」と呼ばれた。

中立報道を掲げるスローガンと共に、保守的傾向があるとされる。実際にFNCのキャスターにビル・オライリー、ショーン・ハニティ、グレン・ベック、ニール・キャブートなど保守的傾向の強い人材が起用され、大統領候補争いで注目を浴びた共和党のマイク・ハッカビーも週末のトーク番組を担当している。共和党関係者ではサラ・ペイリンやカール・ローヴがFNCに専属コメンテーターとして出演している。

スタジオでのトークやインタビューにおいて、キャスターのキャラクター(性格・個性・信条)が放送に大きく反映されている。それまでのアメリカメディアは大まかに「TVはリベラル、ラジオ(トークラジオ)は保守」という色分けがあり、その認識下では異色の存在として登場した格好となる。
2004年、共和党の全国党大会の大統領候補による指名演説中継は全てのチャンネルで視聴者数トップになり、2008年度もトップに輝いた。FNCを「最も信頼するニュースソース」と答える人のほとんどが保守思想・共和党支持者である。
一連の動向から、視聴者は個人の信条に合った番組にあわせて視聴する先有傾向が伺える。

マイケル・ムーア制作の映画「華氏911」では、2000年大統領選挙での偏向報道やイラク戦争を煽ったとして、同局をジョージ・W・ブッシュ政権のお抱えテレビ局として痛烈に批判している。
またドキュメンタリー映画『Outfoxed』は、FNCが共和党寄りに偏向していると指摘している。しかし、「偏向というならば他のテレビ局こそ民主党大統領候補者を賛美する一方、共和党候補者に対しては揶揄するような報道を繰り返しており、民主党寄りに偏向しているのであって、上記の批判は民主党系メディアの視点からの攻撃に過ぎない」との反論があるように、共和党支持者と民主党支持者の立場によって見方が変わる(共和党に有利なように報道し競争相手を潰しているのであり、リベラル派を陥れるようにしている訳ではない)

「Fox News Sunday」にて、司会のクリス・ウォレスはクリントン元大統領に「政権担当時、ビンラディンに対してなぜ何もしなかったのか」と質問し、クリントンは激怒して反論した(クリントンがビンラディンへの対策をすすめていた事実と異なる質問であったため)。

地球温暖化対策を求めることをリベラルの「ヒステリー」だと決めつけ、国際的な合意であるとリベラル勢力の間では考えられている温室効果ガス排出規制の必要性に対して懐疑的な論者を持ち上げたり、『不都合な真実』で名を売ったアル・ゴア元米副大統領の自宅の高額な電気代を報じた。
銃規制に対しても批判的であり、2007年のバージニア工科大学銃乱射事件直後の番組で、あるコメンテーターは「大学側が銃規制を行ったのが問題なのであり、学生が武装していれば犯人が32人も撃ち殺す前に射殺できた」と学生の銃所持を肯定する発言をした。

ブッシュ政権や共和党と強いつながりがあり、正・副大統領を含めブッシュ政権の閣僚などがよく出演しており、狩猟中に誤射事件を起こした副大統領リチャード・チェイニーが事故後最初に同ニュースにテレビ出演した。トニー・スノー元大統領報道官(en:Tony Snow)はFOXの元キャスターである。

バラク・オバマ政権発足後も視聴者数は伸びており、オバマ政権に対する批判の急先鋒を担う(MSNBCが2006年からブッシュ政権を批判したように)。これらについてオバマ政権のコミュニケーション担当責任者アニタ・ダンは2009年10月、「FNCは事実関係を無視し、ニュース報道を偽装した世論誘導を行っている」と非難した。
基本的には記者取材のほか、全米のFox加盟局、イギリスSky Newsなどと連携して速報体制を敷いている。しかし、キャスターやコメンテーターのキャラクターが前面に出ており、影が薄い。

情報の裏付けが乏しい伝聞やデマに対するチェック体制が甘い為に、他のメディアに比べ物議を醸す報道も多い。オバマ大統領がインドネシア時代に通っていた学校ではイスラム過激派の教育を行っていたという放送を行ったが、CNNがジャカルタの特派員に取材させたところ誤りであった事が判明し、「FOXは取材すべきだ」と苦言を呈された。
(記事引用)
(再編集記事)

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米大統領にトランプ氏 共和党全国委員長を首席補佐官に起用
上級顧問に「クリントン・キラー」
産経ニュース / 2016年11月14日 11時7分
【ワシントン=加納宏幸】米共和党のトランプ米次期大統領は13日、新政権で大統領の右腕としてホワイトハウスの実務を取り仕切る大統領首席補佐官に、ライス・プリーバス党全国委員長(44)を起用すると発表した。プリーバス氏は下院共和党トップのライアン下院議長らと親しく、政治経験のないトランプ氏としては円滑な政権のため議会との調整役を期待したとみられる。

 選挙対策本部の最高責任者(CEO)を務めたスティーブン・バノン氏(62)の首席戦略官兼上級顧問への起用も発表した。トランプ氏は声明で「2人は高い能力を持つ指導者として歴史的勝利に導いた。ともにホワイトハウスで米国を再び偉大にするために働く」と説明した。

 プリーバス氏は全国の党組織を統括し、支持基盤の拡大や選挙戦略の調整を行う党全国委員長としてトランプ氏の勝利に貢献した。バノン氏は保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」会長から8月に陣営入りし、選挙戦を率いた。民主党候補だったクリントン前国務長官攻撃の急先鋒として知られる。

 トランプ氏は来年1月の政権発足に向けて、閣僚の人選も急ぐ。
(記事引用) 

 
トランプ氏当選これまで黙っていた人の勝利
水野文也前千葉県議会議員 経済ジャーナリスト
 ハフィントンポスト投稿日: 2016年11月12日 21時02分 JST 
米国大統領選挙は、大方の予想に反してトランプ氏が当選した。選挙人の数だけみれば、圧勝と言えるものの、投票数を見るとその表現は正しくない。クリントン氏の方が多かったという意味ではなく、得票差数が僅か20万票と稀に見る大接戦だったからだ。巷間、言われるように、文字通り国を二分する選挙だったのである。

「国を二分した」にはいろいろな"二分"があるだろう。変革か現状維持か、自由貿易か保護主義か、不法移民に寛容か排斥か──等々だが、私は"階層"の対立がこの結果を生んだのではないかと思っている。

報道では、トランプ氏の勝因で貧しい白人労働者層を取り込んだ、というのが目立つ。これらは、かつて米国では中間層だったとみることができる。真面目に働けば、将来はきっと良くなると思っていたところ、暮らし向きがよくなるどころか、貧しくなる一方。そこで、トランプ氏は良い候補とは思えないながらも、「何か変えてくれそう」との期待感から一票投じたとされる。

米国人の知人に話を聞くと、中間層の暮らしは、稼いでも税金やら保険やら給料から半分近く引かれ、病気になると高額な医療費を払わねばならないという。一方で、低所得者は手厚い保護を受け、一部の富裕層は優遇されている。「どこかおかしい」──今回の選挙では、初めて投票に行った人の割合が、過去の大統領選挙に比べて多かったと分析もあるが、そうした今まで黙っていた、我慢していた層が、抗議の意味を込めてトランプ氏に投じたというのだ。

そして、それらの層が従来は"サイレントマジョリティ"だったために、今回はこぞって投票に出向いたことで、番狂わせに繋がったのかもしれない。構図としては、「優遇されている層(低所得者層+富裕層、クリントン氏)」VS「我慢している層(中間層、トランプ氏)」だったのではないだろうか。

選挙戦の構図がこれだったとすれば、よく言われるポピュリズムの勝利との表現は、必ずしも適切ではないと思えてくる。過激な言動で有権者の関心を引き付けることは、選挙手法としてはポピュリズムの権化と言っても差し支えないだろうが、実際は、我慢していた現状を変えたいと目覚めるきっかけを与えたとみることができるのだ。優遇されている反対側から見れば、扇動するポピュリズムであっても、実を言えば、それは"黙らせたまま"にするための都合の良い言葉なのかもしれない。

さて、この構図だが、どこかの国も似たような状況と言えそうだ。米国ほどではないにせよ、日本も低所得者層と高所得者層が優遇され、一般的なサラリーマンなど中間層が損をしている現状があると思っている。所得での区分けが適切でなければ、既得権を持っている人、持っていない人、と分けることができるだろうか。

私は、自分のこれまでの政治活動において、真面目に働いてもなかなか報われない、大多数のサラリーマンの負担を軽するため、既得権を打破することを目指してきた。「都市住民に予算を取り戻そう!」、「サラリーマンの負担を軽くしよう!」──こう訴えてきた活動を通じ、不満のマグマがフツフツと沸いているように感じていた。

トランプ旋風とまでいかないながらも、ここにくるまで、マグマが噴出しかけた場面が何度かあったと思う。第三極のブーム、昨年に行われた大阪都構想の住民投票などがそれだ。

これらは、実を結ぶまでには至らなかったものの、その火が完全に消えた訳ではない。我慢している人、黙っている人は、きっかけを待っているだけなのだ。そう、米国でトランプ氏が現われたように、大衆を引き付けるカリスマやトリックスターの登場を──いつかはわからないし、起きないかもしれないが、日本でもトランプ旋風のような突風が吹く可能性が十分あると思っている。
(記事引用)