発光現象「スティーブ」
gigazine2018年03月27日 13時00分 サイエンス
オーロラのような新種の発光現象「スティーブ」がアマチュア天文家によって発見される。

画像 太陽プロミネンス
sol16

日本ではなかなか見ることはできませんが、極圏を中心とした高緯度地域でさまざまな条件がそろった時に光の帯が夜空に広がる「オーロラ」と呼ばれる現象は、幻想的さゆえに天体写真の対象として人気があります。このオーロラと同じく夜空に瞬く謎の発光現象「スティーブ」が、2015~2016年頃からアマチュア天文家の間で観測されていたことが、NASA(アメリカ航空宇宙局)によって発表されました。

Mystery of Purple Lights in Sky Solved With Citizen Scientists' Help | NASA
https://www.nasa.gov/feature/goddard/2018/mystery-of-purple-lights-in-sky-solved-with-help-from-citizen-scientists

カナダのレジーナに住むITエンジニアのノタニー・ブラッサさんは、2016年7月25日に夜空を見上げるとオーロラが出ていることに気づきました。ブラッサさんはあわててカメラを取りに行き、オーロラを撮影しましたが、薄紫色の光のリボンという普段と違う姿に気づきました。10代の頃から30年以上もカメラでオーロラを撮影してきたブラッサさんでしたが、自分が見ている薄紫色の光は今まで見たオーロラとは何かが違うと気づいたとのこと。

この謎の光を目撃したという報告は、ブラッサさん以外にも30人ほど行っていました。NASAと国立科学財団が後援を務めるアマチュア科学者によるオーロラ観測&追跡プロジェクト「オーロラサウルス」でも、オーロラに混じる不思議な紫色の光が話題となっていて、参加者の間では、2006年に公開されたCGアニメにちなんで「スティーブ」(Steve)と呼ばれていました。

アマチュア科学者たちは、オーロラサウルスを通じてNASAに連絡を取り、宇宙物理学者のエリザベス・マクドナルドさんに「スティーブ」の写真を送りました。マクドナルドさんは30以上の報告を見て、「スティーブ」が普通のオーロラとは違うものだということに気がつきました。しかし、他の科学者と相談しても、この現象の正体が一体何なのかは分からなかったとのこと。

太陽からは「太陽風」と呼ばれる荷電粒子のガスが地球に吹き付けています。地球の磁気の関係で高緯度にたまった荷電粒子が、大気中の分子と衝突し、発光することによって発生する現象がオーロラです。カーテンのように幅広い光の帯が特徴的で、色は緑や白、赤などさまざまです。

一方、「スティーブ」は非常に細い紫色の光のリボンが特徴です。さらに、紫色の光に重なるように、緑色の光の筋が数本流れる様子も確認されています。夜空を彩る発光現象という点では「スティーブ」とオーロラは同じように見えますが、姿や動きは全く違うものとなっています。

そこで、マクドナルドさんは「スティーブ」を調査するために、ESA(欧州宇宙機関)が打ち上げた地磁気観測衛星「SWARM」を利用して、宇宙からの観測を行いました。

その結果、「スティーブ」を形成する荷電粒子はオーロラのものと違う地磁気層に沿ったもので、極圏よりも比較的緯度の低い場所で発生しているということがわかりったとのこと。

さらに、「スティーブ」が「サブオーロラ帯イオンドリフト」(SAID)と呼ばれる現象と関連があるということが分かりました。SAIDは、地球の磁場や電場のとの関係で荷電粒子が東から西に高速で流れていく過程で粒子が高温になる現象ですが、SAIDが具体的にスティーブの発光現象にどのようにつながるかははっきりと分かっておらず、未知のプロセスがそこに眠っているとNASAはにらんでいます。

NASAは、この新しく発見された発光現象を「Strong Thermal Emission Velocity Enhancement」(強力な熱電子放出速度の増大)と名付けました。この名前の頭文字を並べると「STEVE」という略称になり、これは「スティーブ」を発見したアマチュア天文家たちに敬意を表したものとのことです。
(記事引用)










敗戦国である日本はなぜ「世界の強国」になれたのだろう?
=中国メディア2018年11月30日 22時12分 サーチナ
2c3e2_620_325d5ddb_3fbecea0

 日本は太平洋戦争で敗戦し、国土の多くは焼け野原となった。しかし、敗戦からわずか20年ほどで東京五輪を開催し、さらに世界第2位の経済大国となったことは奇跡的な復興と認識されている。中国メディアの今日頭条は21日、敗戦国である日本は今や「世界の強国」であると主張し、日本が世界の強国になれた原因を分析する記事を掲載し、決定的な役割を果たした要因について分析した。

 日本と中国の間には暗い過去があるため、日本について快く思っていない中国人は少なからず存在する。しかし記事は、日本の食文化や科学技術、文化などは世界に認められているのも事実であると指摘し、歴史問題を別にして中国が日本から学べる点はたくさんあると論じた。

 続けて、日本が世界の強国になることができた理由は複数存在すると指摘しつつ、まず、「教育熱心」であることや「知的好奇心の高さ」を挙げた。日本では子供が幼いときから礼儀やマナーなどの教育がなされていて、高い民度を広く共有できていると指摘したほか、高齢者になっても生涯学習に取り組む人が多いのは「日本の知的好奇心が高いから」であると主張した。

 また、日本人を語るうえで欠かせないのが勤勉さであるとし、日本人の仕事ぶりは非常に細かく、そして、抜け目ないと指摘。「万が一」に備え、万が一の可能性すら排除しようと徹底的に取り組む姿勢があるからこそ、日本製品の品質は非常に高いのだと論じた。

 中国には「馬馬虎虎」、「差不多」という言葉があり、この言葉を口癖のように使う人が多い。「馬馬虎虎」も「差不多」も日本語で言えば「まあまあ」、「だいたい」という意味で使われるが、この表現を好む人が多いという点に中国人の国民性や考え方が現れていると言えるだろう。記事は、日本人は何事も「適当に済ませることはしない」とし、優れているものに更に磨きをかけるのが日本人の気質であり、こうした気質も「日本が世界の強国になることができた理由」である伝えている。
(編集担当:村山健二)
(記事引用)