NHKが画策する「ネット同時配信」の狙い 民放大反発で“見切り”発車の声
2019年3月14日 6時31分 デイリー新潮
 “放送法に基づく特殊法人”としてNHKが設立されてから、来年70年。これにあわせたわけでもなかろうが、目下、NHKは“放送”のあり方を大きく変えるプロジェクトを2020年に向け進めている。テレビ放送とインターネットの「常時同時配信」だ。

 金曜20時にテレビをつければ「チコちゃんに叱られる!」が放送されている。同じタイミングでサイトにアクセスすれば、テレビと同じ「チコちゃん」を鑑賞できる――。NHKの同時配信はこんなイメージだ。

 3月5日には、これを可能にする放送法の改正案が閣議決定され、政府は今国会での成立を目指すという。石田真敏総務相は「スマホなどを用いて様々な場所で放送番組を視聴したいという国民視聴者の期待に応える」と語り、一見、いいことづくめのように見えるが……。3月6日付の朝日新聞はこの決定を次のように報じた。

「チコちゃんに叱られる!」(NHK総合・金曜・午後7時57分~)
〈2010年にNHKが同時配信に乗り出す方針を表明して以来、ようやく政府がゴーサインを出した形だが、約6900億円の巨額の受信料収入を持つNHKが肥大化するとの懸念はずっとついて回ってきた。このためNHKは総務省の求めに応じ昨秋、受信料の値下げを発表。ガバナンスの徹底や会計の透明化に取り組むことも表明した〉

 その〈懸念〉を抱く急先鋒が民放各社だ。さるキー局関係者が胸中を語る。

「そりゃ、われわれ民放からすれば“NHKが受信料で好き勝手やってる”という話になりますよ。スタートにも維持にもカネがかかるネット同時接続なんて、NHKだからこそできること。NHKが民放より採算性が問われないなんてことは、改めて説明するまでもないですよね。低視聴率の『いだてん』を打ち切らずに続けられるくらいなんだから……。それはともかく、日本民間放送連盟の会長の大久保(好男・日本テレビ社長)さんは、“民業を圧迫しないでほしい”と常々釘を刺してきました」(キー局関係者)

 今のところ、NHKがネット関連業務に費やせる金の上限は“受信料収入の2・5%”としている。先の朝日新聞報道の受信料収入に照らせば、およそ172億円だ。

「日本におけるネットTVの先駆けである『AbemaTV』が、設立以来“年200億円”の赤字だというのが、比較の参考値でしょうか。Abemaの場合は、配信だけでなく番組の制作予算込みでこの赤字なわけですが、NHKはテレビ用のコンテンツを作る予算が別途あり、基本的にネットでそれを流すだけ。制作費は無視して172億円をネット配信に費やせるわけですから、かなり有利といえる。人件費などの点でも、どこからどこまでがネット関連の仕事なのか、現状では線引きが曖昧です」

 しかも、引き続き“2・5%”ルールをNHKが守るかどうかは不明――。読売新聞の取材に答えた上田良一NHK会長は〈20年度以降は「(著作権に関する)権利処理が大きな課題。どの程度費用がかかるか予測困難」とし、「適正な上限を設け、抑制的な管理に務め、民放や視聴者の皆さんのご理解を得られるよう説明責任を果たしていく」と含みをもたせた〉(2月4日付夕刊)。

見切り発車の同時視聴
 その上、NHKの同時放送には“見切り発車”との指摘もある。ニュースサイト「BLOGOS」に「リスク高く茨の道を歩みそうなNHKの常時同時配信」(3月6日配信)を寄せた芸能ジャーナリストの渡邉裕二氏はいう。

「サービス開始にあたっての整備をどうするのか、という点が見えてきません。今のところNHKは、受信契約者にID(視聴者番号)とパスワードを与え、それでネット視聴もできるようにするとしています。では、受信料を払っているひと家庭に、いくつIDを与えるのか。世帯あたりで何人がネット視聴を利用できるようにするのか、そのあたりをまったく決めていないようなのです。当然、IDをどう管理するのかも未定。たとえばIDがメルカリで売られたらどうするのか、そういった対策も講じる必要が出てくるでしょう」

 渡邉氏は、そもそもネットでNHKが観られることの需要にも疑問を呈する。

「いまや、自宅のレコーダーで録画して、出先でもスマホで番組を観ることができる時代です。果たして、テレビを生で観たいという人がどれだけいるのか。せいぜい、スポーツと緊急時のニュースくらいでは。前者を考えれば、たしかに、東京五輪に合わせて同時接続を始めるというNHK戦略は理にかなっています。が、後者に関しては、緊急時にはIDやパスワードなしでもネット視聴ができるようになるといいます。受信料の縛りに、ますます意味がなくなります」

 NHKは、民放5局が始めたネット無料配信サービス「Tver」にも参加することを明らかにしている。基本的に同じネット配信なのに、こちらはタダで、あちらは受信料契約があると観られる……。棲み分けもややこしくなりそうだ。

 民放から大反発を受け、コストだってかかる。どれだけ需要があるかも怪しい。それなのになぜ、NHKは「同時配信」したいのか。

「家庭の固定電話が辿る道と同じで、将来的にテレビでの受信料徴収が見込めなくなる。将来的に、スマホやPC視聴からも徴収できるようにするための布石でしょう。放送法上、今のところはスマホを持っているだけで受信料、とはなりませんが、今後はどうなるか。これまでは『テレビ持っていません』、あるいは『(ワンセグ機能のない)iPhoneです』もありえましたが、いまの時代、『ネット使ってません』はまずない。スマホを買う時に、強制的にNHKの受信契約を結ばせられる……なんて未来もあるかもしれませんよ」(先の局関係者)

 テレビとネット、そして“その先”をNHKは同時に視ている――?

週刊新潮WEB取材班

2019年3月14日 掲載

今さら聞けない!デフォルトの意味と使い方 例文つきで解説
【スグ使えるビジネス用語集】
 2016/11/27 マイナビストア
ビジネスシーンだけでなく、ネット上やニュースなどでも耳にする「デフォルト」。よく聞く言葉ですが、意味が複数あるため、正しく知らないと「あれ?」と思ってしまうこともしばしば。意味をはき違えると、コミュニケーションにも支障をきたす可能性があります。そこで、今回はデフォルトの意味や使い方についてご紹介します。

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■デフォルトの意味とは?

デフォルトには大きく分けて3つの意味があります。
1つ目は「債務不履行」という意味。たとえば、新聞の見出しに「ギリシャ、デフォルトの危機」とあれば、金融危機に陥って債務不履行になりそうだ、という意味になります。
2つ目は「初期設定値」で、ソフトなどの初期設定値のこと指します。これから転じて、「定番」「普通」という意味が3つ目の意味です。
ビジネス用語で使う場合は、金融とそれ以外では意味合いが異なりますので注意しましょう。また、デフォルトを略して「デフォ」ということもあります。

■デフォルトはどんなときに使う言葉?

デフォルトは、金融なら「債務不履行」、パソコンなどのソフトなら「初期設定値」、それ以外で使うときは「普通」「仕様」という意味になります。金融関連でデフォルトとあれば、文字通り債務不履行という意味です。
パソコンのソフトや計算書など、あらかじめ数値が設定してあるものもデフォルトといい、必要に応じて数値を変えることをカスタマイズといいます。一般的に、入手したばかりのソフトや見積もりなどのフォーマットは、初期設定の数値なので、デフォルト状態です。
それで以外では、「彼はいつも遅刻する」なら「彼の遅刻はデフォルト」のように、普通、または仕様という意味で使われることもあります。
■バッファの意味とは?

バッファはもともとコンピューターに関する用語で、パソコンに一時的に情報を保存する領域をバッファと呼んでいました。このことから、IT用語としては今も「保存領域」という意味で使われます。これが転じて、ビジネス用語としては「余裕」「緩衝」という意味で使われるようになりました。

物理的なスペースだけでなく、コストや在庫管理、時間的なゆとりの意味でも使われるケースが多い言葉です。また、緩衝剤の意味から、仕事の交渉や人間関係などでサポートなど、クッションの役割を果たす人のこともバッファと言うこともあります。

■バッファはどんなときに使う言葉?

ビジネス用語としてのバッファは「ゆとりがある」「余力がある」という意味で使うので、可能かどうか問われるシチュエーションで使われることが多くなります。

在庫管理でゆとりを持たせるときや、タイムライン・進捗の予定を立てるときに日程を持たせるときなどに使います。

また、予備という意味でバッファを使うことがあります。消耗品や交換部品の予備などのことを、バッファと呼ぶことも。

他にも、人に当てはめて使うこともできます。「バッファがあるから大丈夫」といえば、余力があるのでまだ仕事を引き受けることができる、という意味になります。仕事や特定の人物に対してバッファとしての役割を求められたら、それは仕事や人物に対するサポート役を求められているということです。

イノベーションとは英語の「innovation」のことで、「革新」「一新」などの意味を持つ言葉です。この言葉は動詞 「innovate」 の名詞形で、ラテン語の「リニューアルする」という意味を持つ言葉に由来しています。

日本で使われる「イノベーション」には、「革新」「一新」という意味のほかに、「技術革新」「大きな変化」「新しい活用法」などの意味を持つこともあります。つまり、ただ単に新しくするのではなく、これまでの常識が変わるほど社会を大きく動かす技術革新や、新たな概念を指す言葉ということです。

そんな今さら聞けない「イノベーション」がビジネスでどんな使われ方をするのか、例文とともに解説していきます!

「イノベーション」の意味と使い方とは
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「イノベーション」の使い方
実は、私たちのまわりには「イノベーション」の成果であふれています。例えば、インターネットやテレビ、スマートフォンなど。新たなアイディアが生まれ、私たちの生活を根本から変えてしまいましたよね。そのほかには、車や飛行機などの移動手段もイノベーションの成果です。もっと身近なところでは、自動販売機や回転寿司もイノベーションの成果と言えるでしょう。


上記の例からもわかるように、イノベーションはこれまでにない発想や従来のやり方の中でアイディアが生まれ、そこにニーズと技術が加わり成り立つものなのです。ビジネス用語としての「イノベーション」は、「次のイノベーションとなりうる製品が必要だ」というように、技術革新という意味で最もよく使われます。

しかし、最近ではその枠を超え、サービスやマーケティングなどの分野にも広がり、「新機軸のサービス」や「新たな価値観の提案」という意味でも使われるようになりました。また、ITを活用したイノベーションも注目され、仕組みや情報を活用した変革が進んでいます。

ビジネスシーンでは、「イノベーション戦略」「コンセプトイノベーション」「マーケティングイノベーション」など、他の語とともに使われることもあります。どちらにしても、これまでの価値観や常識がリニューアルされ、企業がその変化から利益を得ようとするときに使うのが適しているでしょう。

▼コンセンサス以外にも! ビジネスで使われるカタカナ語の意味をチェック!
https://gakumado.mynavi.jp/freshers/articles/12549

イノベーションの例文
実際のビジネスシーンで、「イノベーション」という言葉がどのように使われているのか、例文をご紹介していきます。

<単体での例文>
・「新しいことを否定してばかりでは、イノベーションは生まれない」
・「イノベーションの原動力となりうるのは何だろう?」

<他の語と組み合わせた例文>
・「持続的イノベーションで成り立っている企業は、破壊的イノベーションを重視しない傾向にある」
・「最近では、ユーザーが目的達成のためにイノベーションを起こすユーザーイノベーションが多発してる」

ビジネスシーンでは、社内・外を問わず「イノベーションの必要性」に関する使い方が多く、革新のキーワードといってもいいかもしれません。ただし、「革新的イノベーション」と同じ意味の語を重複して使わないように注意しましょう。

「革新」を意味する「イノベーション」。「○○のイノベーション」といえば聞こえはいいのですが、「新たな○○の導入」で意味をなすものはそのままの方が無難かもしれません。ビジネス用語は日々新しいものが出てくるので、しっかり意味を理解して使うようにしましょう!

文・学生の窓口編集部

(記事引用)

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