2016年11月

リオネル・ルイケ アフリカ人、紹介) 道下和彦 ギター 


リオネル・ルイケ アルバム
 
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武蔵野文化事業団~ サイト
ジャズ・ギタリスト 「リオーネル・ルエケ」
今年2月に、ブルーノート・レコードから「最新曲から歴史的名曲まで網羅した究極のベスト!」と銘打たれたコンピレーション・アルバムが発売されました。そのなかにノラ・ジョーンズ、カサンドラ・ウィルソンなどと並んで収録されているのが、リオーネル・ルエケです。
 
リオーネル・ルエケは、アフリカのベナン共和国生まれのジャズ・ギタリストです。小さい頃からパーカッションに親しみ、17歳でギターに目覚めたらしく、その頃はギターを買えずに自転車の鉄線をギター代わりにしていたとか。
 
パリを経て渡米してからは…、
・ハービー・ハンコック、テレンス・ブランチャードという超大物に気に入られ、ツアー同行やCD録音へ参加!
 
・2002年にはブルーノート・レコードよりデビュー!これまでに3枚のアルバムを同レーベルからリリース!最新作の共同プロデュースは、今年グラミー賞を受賞した今ジャズ界で最も勢いのある男の一人ロバート・グラスパー!
 
・2005年には、カルロス・サンタナと共に、夏の広島被爆60周年記念のコンサートへ出演!
 
・2009年には、アメリカの老舗ジャズ雑誌「ダウンビート」の批評家投票第1位!(ライジングスター/ギター部門)
 
これは現代ジャズ界におけるシンデレラ・ストーリーだ!!っと、ちょっと興奮してしまうほどの八面六臂の大活躍っぷりです。
 
「リオーネル・ルエケ・トリオ」は4月20日より発売開始です。是非お楽しみください!


「リオーネル・ルエケ・トリオ」の詳細

http://www.musashino-culture.or.jp/eventinfo/2013/03/post-175.html


(記事引用)

関連記事 
リオーネル・ルエケ
http://ameblo.jp/wapikodon/entry-10550514987.html


スティーブン・バノン3
トランプヤバい。
バノンはまずい。スーツを着たKKKが米国を乗っ取る恐怖。
ほとうどぐお lineblog2016/11/15 04:38
日本では政治のことを語ったり主張すると小馬鹿にした口調で上から目線で潰しに来る人が多い。陰謀論を信じてバカにされるのが怖いのもあるのかもしれない。ただしそうして黙ってて許されたのはある種平和だった時代。少なくとも自分の周りの人達には、アメリカで子供時代を育った体験を踏まえてこんなことを考えてる、ということを伝えたい。
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今回のトランプ当選は2001年の911テロのとき以来の危機感を自分は感じていて、彼の当選後、毎日脳と心臓がピリピリしている。911が起きたときの危機感を日本人として日本国内に例えて考えるなら、今日渋谷のハチ公交差点で真昼間に爆弾を巻いた人が100人同時に現れ一斉に爆発、テレビ中継される中スクランブル交差点で人が次々と1000人規模で死亡するような事件が起きているのを思い浮かべて見てほしい。映画の中で起こっているようにしか想像できないような感覚。映画だとフィクションで良かった、となるけど現実は違う。シンゴジラで感じたあの焦燥感、絶望感。それと並ぶくらい今回のトランプは怖い。しかもこっちは現実だ。

トランプ当選に関してはいろんな記事が出ていて、労働者階級白人の勝利だ投票率が少なかっただ差別主義者だどうせトランプは口だけでなにも実現しないだ彼の周りにはまともな閣僚がつくから大丈夫だビジネスマンだから交渉の仕方を知っているだヘイトが増えていてトランプを差別の正当化の理由にしているだ彼への対抗策には各種財団に月額で寄付して支えろだ朝起きて子供にこのことをどう伝えるべきかのマニュアルだこのままあと20行くらい書き続けられそうなくらい色々言われている。

トランプは本当にまずい。

こういうことが起きることを人生で想定していなかった。頭のいい人格者がある程度国や世界を運用してくれることを当たり前だと思っていた。平和ボケをしていた。経済に関する勉強をサボっていたことを、歴史の勉強をサボっていたことを、ウチとソト、上と下の思想、あらゆるなんとかイズムの詳細、歴史、現代の政治家やリーダー、それぞれの信条。池上さんの本レベルで政治に関心があるなんて語れないレベル。いまものすごく反省している。

今回トランプは選出された後、自分の息子、娘、義理の息子をいわゆる閣僚メンバーに加え、選挙キャンペーンを取り仕切ったスティーブンバノンを顧問に迎えた。ナチスと北朝鮮の例があり、比較されるのがわかっているにも関わらずこの人選をしているとするならばまさかのヒトラー、まさかのキムジョンナンに順調に一歩前進したことになる。それが本当に起きている。映画ではない。これが本当の恐怖だ。

しかし民主主義で選ばれているため、誰も逆らうことができない。それを認めるのが正しい、なぜなら我々が選んだのだから、と、頭はいいが逃げ場のない人はそういう言い訳で精神的安定を得ようとする。そして小馬鹿にして戦うことをしない。戦うのは野蛮人のすることだからだ。そしてそれが起きたとき余計まずい方向に行ってしまう。

「スティーブンバノン」

トランプリアルチルドレンはもちろん問題だがひとまず置いておこう。それよりもスティーブンバノンだ。

バノンはトランプの参謀のポジションになったことを知ったのが今回の投稿の本当のきっかけだ。気になった人は調べてほしいがバノンは簡潔に言えば実際にメディアと世論をコントロールする能力をもった本当に頭のいいオルタナ右翼(白人至上主義、反フェミニズム、反多文化主義、反ポリティカルコレクトネス、ようするにレイシスト人種差別者でミソジニスト女性蔑視者)だ。
残念ながら日本人の大半は今アメリカに住んだらレイシストでミソジニストになっちゃうんどけども。まぁそこは別のお話。ほぼすべての国民が移民で日本のように共通の文化認識を理解しあえないアメリカ(だから法律が大事だったりする)では一番人格を疑われる存在なわけで。その思想を束ねるメディアのトップがトランプの参謀になった。政策の方針をトランプにアドバイスする立場になった。

トランプは彼を選挙キャンペーンのCEOに選び、その功績から今回のポジションになった。しかし自分にはバノンが今回逆にトランプを利用しているように見えてしょうがない。過去にバノンが支援した政治家の経緯を見ていると、政治家側が落ち目になったときにすぐさま自社メディアでつぶし自分の地位は維持し続けているように見えるし、この形だとトランプも用済みになるときが来るのではと心配してしまう。

正直いうとトランプ自身は頭が良いと思う。会社経営経験者として、期待される結果にたどり着けるのならば変な衣装だって着るし舞台立ってプレゼンするし過激発言するし、キャラの使い分けだってする。喜んでピエロになる。テレビで何十年も生き残って出演し続ける人がバカなわけないでしょ?クイズ番組でおバカ回答をする人がどれだけ空気が読めて頭が良いか!逆にどれだけ収録時間外で丁寧に挨拶しているかを想像することもできる。

実はトランプは今回の大統領選は人生最大の悪ふざけでやっていたのではないだろうか。ただやるからには本気で勝てる作戦で取り組む。姿勢はビジネスと同じ。接戦をして落選するが何千万人のトランプファンたちにあらゆる面でビジネスができるようになる。当選すれば初挑戦、初体験する出来事が人生にさらに増えて楽しい。せっかくだから長期政権までやりきってみよう。勝っても負けてもトランプ個人の人生にはプラスの結果となる。共和党候補選出前でメディア露出していた時点で彼個人としては既に勝利していたのかもしれない。だから何をしてもためらいがなかった。それが自信と強さに見えてしまい、結果勝ってしまった。そうに違いない。そうなんじゃないかな。そうだといいなぁ。

話を戻そう。トランプは恐らくバノン側に利用されるリスクを理解した上で彼を選出している。今の層を維持し続ければ四年後も勝つことができるからだ。これがバノンの思想とマッチしてしまうのがまたまずい。四年後にトランプが再選されるには、アメリカという国では最低の人格部類に入る白人至上主義の差別主義者の女性蔑視者のポリティカルコレクトネスくそくらえな連中をひとつに束ねることがカギだ。アメリカという国を彼らの声がより大きくなり、彼らに反論する人々は所詮マイノリティであり自分らより劣っていてよそ者で偽善者であると堂々と言える場所に少しずつ変えていく。そちらのほうが正義となる環境を作る。マイノリティに投票しても無駄と思わせつつ、トランプ支持者らには前回のようにきちんと投票行かないとまたヒラリーのような人物にやられる、マイノリティに乗っ取られると焚きつける。そしてまた同じように都市部による反トランプ票は実らずスイングステートでトランプが勝つ。そしてその繰り返し。いつか女性やマイノリティは心折れる。そうなるとバノンの理想の世界だ。

これに対抗するには民主党側がこれまでのクリントンやオバマイメージのグローバル経済大国アメリカを諦めて、バーニーサンダースのような社会主義者でトランプの四年に失望している層を「今度はこっちがChangeかな?」と思わせて奪い返す以外に道はないように思える。ヒラリーがトランプに接戦で負けた州はことごとくヒラリーがサンダースに負けた州なのでここは明白。しかしそれをするともう昔のアメリカは帰ってこない。アメリカからアメリカン・ドリーム精神をなくすという判断を下せるのは誰なのか。トランプ政権四年の間に民主党はその方向に舵を切れるのか??

こんなことをウダウダ気にしている間にオルタナ右翼というそれっぽい言葉で覆われた「スーツを着たKKK」にアメリカ国民がめげずに対抗し続けてくれることを願う。

平和ボケしてファミコンクラシックミニで遊びたかったよ!!ちくしょー。

そんな勉強不足な私が今興味を持っている本はアドルフヒトラーの「我が闘争」です。ヒトラーの自伝ですがもちろんアホな私は読んだことありません。発禁本が再び発売されるようになったみたいですが、まずはこれを研究して選挙戦やトランプ発言においてどういうところに共通項があるか、どんな演説をしたか、その後人々が、周囲の政治家が、メディアがどのように変化したかを併せて勉強してしてみようかと思っています。もっと政治と歴史に詳しくなって頭良い人たちに叩かれるように頑張ろう。本当は「帰ってきたヒトラー」を読んでエンタテインメントとして楽しみたかったな....

自由の国アメリカはその国を本当に自由にするため、各個人の本心は違えど人種、肌、性別など本人の努力では変えられないものに関しては「公の場では言うべきでないこと」として唯一と言っていいほど共通認識ができていた。ギリギリのバランスだったが口や態度に出さないことで理想の姿がなんであるかは明確に示されていた。しかし今回それが崩壊した。自分の国の代表者や幹部がもっとも自分の理想から離れた人になったのが今回の大統領選だ。

Love trumps Hate. 平和ボケだったことを認めて今からでも勉強をはじめよう。
(記事引用)

 

最も危険な政治フィクサー「バノン」
報道ニュースの二極化
「最も危険な政治フィクサー」、といったハリウッド映画タイトルのような派手な見出しはアメリカらしい。
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いっそのこと日本のメディアもそれに倣って「豊州の豊かな地下資源、シアンベンゼン鉛ヒ素」、と大見得を切って見出しでもかくか。まそんな勇気もないメディア。

だらだら大統領選挙アメリカも、飽きてきたようで、表現が過激なわりに、ちっとも進まない。そんな停滞世相を反映して「冷泉氏」が現地リポートしている。

「冷泉氏」の見方では「いずれにしても、この選挙戦の「シラけたムード」というのは尋常ではない。」、と閉めている。

とそれを読むと、ああアメリカも長丁場も持たないのか、と思ったが、それと真っ向対立する記事がある。

形勢不利なトランプ陣営に、アメリカきってのダーティー野郎が乗り込んだ、と60年前のテレビ西部劇を匂わすようなストーリー展開だ。

でどちらが本当なんだ。

またある報道ではトランプ氏は、大統領なんぞ、なる気はなく事業展開のためのポーズ作戦だと。まあ、それもまんざらでもなさそうな話に思えてくるし、とどのつまり、アメリカシンクタンクが仕組んだ巧妙な選挙戦だった、というオチにならなければいいが。


トランプは「降りた」のか?アメリカ大統領選・現地レポート
冷泉 彰彦 2016.08.30

アメリカ大統領選は4年に1度、夏季オリンピックの年に行われる。オリンピックの大好きなアメリカ人は五輪期間中はTVに夢中になるので、選挙戦どころではなくなる。そこで、前回の2012年までは五輪の終わった8月末か9月初旬に党大会をやっていた。

 今回は、本選の期間を長く取ろうということで五輪の前に党大会をやったが、いずれにしても五輪期間中は事実上「政治休戦」になる。ところが、今回はその点でも異変が生じている。というのは五輪が終わったのに、選挙戦が盛り上がらないのだ。

 基本的な構図は8月を通じて変化がない。トランプの支持率は低下傾向で、ヒラリー優位。そんな中、トランプにはスキャンダルの材料が出続ける。ヒラリーの側にもスキャンダルが出るがトランプの低迷で帳消しになる。全体として、意味のある政策論争はないし、シリア情勢など最新の重要なテーマが論点になることもない、そんな感じである。

 もっとも、変化はないわけではない。一つの大きな変化は、トランプ陣営の選対本部長がまた更迭されたということだ。初代のコーリー・ルワンダウスキーは、暴言や暴力行為が批判され、また共和党の主流と対立したことで更迭された。二代目のポール・マナフォートは、ブッシュ(父)などの選対を務めた大物という触れ込みだったが、ウクライナの親ロシア勢力との金銭的癒着を問題視されて更迭されている。
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 そこで登場したのが、不思議なコンビである。新たに選対のCEOに就任したのは、保守系サイト「ブライトバート・ニュース」を事実上経営しているスティーブン・バノン、そして選対本部長には保守系のケリーアン・コンウェイという組み合わせだ。この体制になって数週間が経つが、選対を代表してメディア対応をしているのは、主としてコンウェイの方だ。

 このコンビの何が不思議なのかというと、意外と丁寧な動きをしているということがある。前任のマナフォートが選挙参謀として「一流」の経歴を誇っていたのに対して、バノンもコンウェイも、立ち位置としては「新興メディアの右派論客」、つまり日本で言えば「ネトウヨの親玉」というところであり、下手をすればトランプの「暴言」を煽るのかと思うと、どうも動き方はその反対なのだ。

 例えば、コンウェイの忠告を聞いたトランプは「過去の暴言を謝罪」しているし、またルイジアナ州で深刻な洪水被害が出た際には、トランプ自身に慰問をさせている。こうした動きは、これまではなかったことだ。

 散々言ってきた「不法移民の強制送還」という政策についても、「家族離散は良くない」としてトーンダウンを示唆しているし、黒人コミュニティに和解を呼びかけたりと、「方向を修正」する気配も見せている。

 では、トランプの言動が「中間層の嫌悪感を払拭できる」ぐらい洗練されて「大統領らしく」なってきたかというと、そういうわけではない。演説会では、相変わらずヒラリーのことを口汚く罵っているし、不用意な暴言ツイートは完全に止まってはいない。

 一体陣営に何が起きているのだろうか?

 一つの可能性は、事実上「降りた」、つまり本人も周囲も、そして新しい選対の二人も、「このままでは当選は無理」という事実を直視し始めたという見方ができる。本来であれば、もっと信頼に足る政策パッケージを公表し、共和党の議員団ともあらためて政策の調整を行って選挙戦の相乗効果を出していく、そして中間層にもアピールするように、コミュニケーションのスタイルにも大きな変化をつける、そうしたドラスティックな方向転換が必要なはずである。

 だが、もしかしたら「大人」であるバノンとコンウェイは、その点を諦めているのかもしれない。その上で、トランプを出来る限り「穏健な姿勢」にシフトさせつつ、コアなファンの集まる集会で「アドリブ暴言」が飛び出すのは目くじら立てない、そんな「妥協的な姿勢」を取って、11月の投票日まで安全運転をという、そんな気配を感じる。

 その一方で、ヒラリーの方は、特にバノンを敵視しており、「悪質な白人至上主義者」が参加してトランプ陣営はますます危険になった、そのような言い方で批判を強めている。リベラルの観点から見れば、そうした「罵声」を使えば自陣営の結束は高まるのかもしれない。だが、結果的にまともな政策論争が行われないまま選挙戦が進行しているとしたら、ヒラリー陣営にも責任はある。

 一つ印象的だったのは、トランプの現在の妻であるメラニア夫人のスキャンダルについてだ。英国の保守系タブロイド紙の『デイリー・メール』が、夫人が90年代に「エスコート・クラブ(一種の売春組織)」で働いていたという報道をしている。事実なら大問題である。当然、メラニア夫人の周辺は激怒しており、訴訟の準備に入っているようだが、不思議なことに、アメリカのメディアはこの件については静観の構えなのだ。

 もちろん、将来のファーストレディーに対して、外国のメディアがそんな記事を載せるのは失礼で不愉快ということはあるだろう。また材料として品がなさ過ぎるということもある。だが、メディアの鈍い反応の背景には、「どうせファーストレディーにはならないのだから、目くじら立てるほどのことはない」という感覚が透けて見えるようにも思える。一方で、「仮に事実ならやっぱり」という感覚もないわけでもない。

 いずれにしても、依然として選挙戦の報道を続けるメディアの陰で、有権者はかなり白けているというのが実情のようだ。一方で、共和党の議員団、とりわけ上院の改選議員たちはお尻に火がついてきた。現職優位の下院はともかく、一州一議席を争う上院では、トランプの影響で民主党が盛り返している。

 政治サイト、「エレクトラル・ヴォート・コム」の集計では、現時点での情勢は、定員100の上院について「民主党50、共和党49、タイ11」となっているという。これでは2014年にせっかく獲得した共和党の多数党の座が崩壊してしまう。当落線上の議員としては、なりふり構わず「自分はトランプとは無関係」として共和党の基礎票を固めつつ、無党派層に嫌われないように必死なのだ。

 いずれにしても、この選挙戦の「シラけたムード」というのは尋常ではない。(記事引用)
 
ドナルド・トランプ氏、「最も危険な政治フィクサー」起用で過激路線復活か

アメリカ大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ氏が8月16日、選挙陣営の幹部を刷新した。劣勢に立たされた大統領選で、状況を好転させるための必死の試みだ。

トランプ氏は、保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のスティーブン・バノン会長を選挙対策本部の最高責任者(CEO)に、共和党の世論調査専門家で同党の顧問を務めてきたケリーアン・コンウェイ氏を陣営の責任者に任命した。

バノン氏はかつて海軍に所属し、ゴールドマン・サックスで勤務したこともある。バノン氏が運営する「ブライトバート・ニュース」は、トランプ氏を支持し、共和党の主流派やイスラム教徒を攻撃する過激な保守派のサイトだ。政治経験がないバノン氏を起用したことで、トランプ氏は強引で対立を招く方法で大統領選を闘うとみられる。

無鉄砲な保守派として知られるバノン氏は、ポピュリストとナショナリストへ共感を示しており、以前から共和・民主両党から嫌われる存在だった。さらにトランプ氏と同じく、バノン氏も政界のエスタブリッシュメント(既得権益層)を攻撃している。17日の声明では、バノン氏がかつて自身が「アメリカで最も危険な政治フィクサー」と呼ばれていたことを自慢気に語った。

しかし昔からのトランプ氏の支援者や支持者らは、バノン氏が起用されたことを懸念している。「バノン氏は、トランプ氏の最も悪い部分を引き出すことになる」と、ある情報筋は語る。

トランプ氏がバノン氏を起用する前、2人は何カ月も話し合っていた。ワシントン・ポストによると、バノン氏は衝動的でカッとなりやすいトランプ氏に、発言を控えろと言う人は無視するようにと勧めたという。

このアドバイスはトランプ氏の心に響いた。彼は選挙期間中「ピボット」と呼ばれるのを嫌っていた。「私は私だ」とトランプ氏は16日、ウィスコンシン州で行われたテレビ局のインタビューで語った。「私は変わりたい訳ではない。みなさんは『ああ、あなたは方向転換するのか』と言うが、方向転換はしたくない。政策を転換するのは、国民に対して不誠実だ」
(記事部分引用)

当サイト「スティーブン・バノン」の検索が引きも切らない。異常な数の検索数だ。バノンの詳細を調べよう検索すると、自分の記事がそこにあり、それでは堂々巡りで、情報精査ができない。そこでネットの片隅に寝ている細かなネタを根気よく追ってと、バノンに関する情報でITメディア界の大物、「ルパート・マードック」に行き着いた。

知る人ぞ知る、アナログ時代のメディア界ケーブルテレビ網を敷いてメディア世界を牽引する超大物であり、いまでもその影響力は失せることがない。

そのもう一方の一翼を担うメディアの巨頭「デット・ターナー」とはアメリカメディア界を二分する。
※ロバート・エドワード・ターナー三世(Ted Turner、Robert Edward "Ted" Turner III, 1938年11月19日 -)はアメリカのメディア業界人。実業家。CNN創業者。国際連合など国際機関に多額の寄付をしていることでも知られる。オハイオ州シンシナティ生まれ。
自殺した父親の遺産を24歳の時に相続し、それを元手に1970年にアトランタのテレビ放送局を買収し、放送局事業に参入。その後これを元に創業したCNNは世界初のニュース専門局として発展。キャスターに有色人種を多用するなど、放送業界やテレビジャーナリズムを大きく変革させた。他にCNNよりも多くの国で放送されているアニメ専門チャンネルカートゥーン ネットワークらも創業している。1996年アトランタオリンピック開催にはその意向が反映されていた。
(ウィキぺデア)

以下、記事部分引用による。

(画像はバノン...誰かに似てるなとおもったら秋元康。品のない悪質な冗談か?!? )
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トランプ氏は、保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のスティーブン・バノン会長を選挙対策本部の最高責任者(CEO)に、共和党の世論調査専門家で同党の顧問を務めてきたケリーアン・コンウェイ氏を陣営の責任者に任命した。バノン氏はかつて海軍に所属し、ゴールドマン・サックスで勤務したこともある。バノン氏が運営する「ブライトバート・ニュース」は、トランプ氏を支持し、共和党の主流派やイスラム教徒を攻撃する過激な保守派のサイトだ。

トランプ氏の選挙陣営刷新、背後に元FOXニュースCEO-関係者
 Bloomberg Jennifer Jacobs、Kevin Cirilli 
2016/08/17  msn
 (Bloomberg)米大統領選挙の共和党候補、ドナルド・トランプ氏は17日、選挙陣営の首脳部を刷新し一部の幹部を実質降格させるとともに、筋金入りの保守派の旗手としてインターネットで知られる人物を起用した。
  右派系サイト、ブライトバート・ニュースの会長で元ゴールドマン・サックスのバンカーだったスティーブン・バノン氏は、トランプ陣営の最高責任者に指名された。事情に詳しい関係者によれば、元FOXニュース最高経営責任者(CEO)のロジャー・エイルズ氏が苦戦しているトランプ氏に劇的な変革を促した。
  7月からトランプ氏のシニアアドバイザーを務めている世論調査専門家、ケリーアン・コンウェイ氏は選挙対策本部長に昇格した。
  新たな首脳部は徹底的な反体制の姿勢に立ち戻る計画。トランプ陣営の会長を務めるポール・マナフォート氏はこれまで、形式的で挑発的発言を抑えたアプローチに移行しようと取り組んでいたが、この路線が変更されると関係者は話した。(原題:Trump Shakes Up Staff After Ailes Is Said to Urge Big Changes)(抜粋)

ウィキぺデア~
報道姿勢(FOX効果)

FNCの報道について、保守的・共和党寄りであり、2000年代前半には視聴率競争でCNNを打ち破り、「FOX効果」が注目された。
ルパート・マードックの意向もあってアメリカ同時多発テロ事件を機に、愛国心一色の報道姿勢を明確にした。テレビ画面に放送局のロゴが表示されるが、終日星条旗を流し始めたのはFNC、および同時放送していた地上波のFOXテレビ(同じくニューズ・コーポレーション傘下)だった。

イラク戦争でもテーマ曲を勇ましいマーチにしたり、米軍がイラク大統領官邸に突入する模様を独占中継に成功、退役軍人をコメンテーターに起用する(これはどこも同じ)などの姿勢を続けた。
イラク戦争はFNCがCNNより多くの視聴者を獲得。一方でイラク戦争において、衛星中継車まで同行した従軍報道は連合軍の立場に沿った取材・中継となった事、CNNでアメリカにとって都合の悪いニュースを放送するにも細部のルールを用いて細心の注意を払っていた事が明らかになる、など一連の報道姿勢が注目された。
これをFNCが9・11からの愛国色の強い報道姿勢に倣って継承していったとして、「FOX効果」と呼ばれた。

中立報道を掲げるスローガンと共に、保守的傾向があるとされる。実際にFNCのキャスターにビル・オライリー、ショーン・ハニティ、グレン・ベック、ニール・キャブートなど保守的傾向の強い人材が起用され、大統領候補争いで注目を浴びた共和党のマイク・ハッカビーも週末のトーク番組を担当している。共和党関係者ではサラ・ペイリンやカール・ローヴがFNCに専属コメンテーターとして出演している。

スタジオでのトークやインタビューにおいて、キャスターのキャラクター(性格・個性・信条)が放送に大きく反映されている。それまでのアメリカメディアは大まかに「TVはリベラル、ラジオ(トークラジオ)は保守」という色分けがあり、その認識下では異色の存在として登場した格好となる。
2004年、共和党の全国党大会の大統領候補による指名演説中継は全てのチャンネルで視聴者数トップになり、2008年度もトップに輝いた。FNCを「最も信頼するニュースソース」と答える人のほとんどが保守思想・共和党支持者である。
一連の動向から、視聴者は個人の信条に合った番組にあわせて視聴する先有傾向が伺える。

マイケル・ムーア制作の映画「華氏911」では、2000年大統領選挙での偏向報道やイラク戦争を煽ったとして、同局をジョージ・W・ブッシュ政権のお抱えテレビ局として痛烈に批判している。
またドキュメンタリー映画『Outfoxed』は、FNCが共和党寄りに偏向していると指摘している。しかし、「偏向というならば他のテレビ局こそ民主党大統領候補者を賛美する一方、共和党候補者に対しては揶揄するような報道を繰り返しており、民主党寄りに偏向しているのであって、上記の批判は民主党系メディアの視点からの攻撃に過ぎない」との反論があるように、共和党支持者と民主党支持者の立場によって見方が変わる(共和党に有利なように報道し競争相手を潰しているのであり、リベラル派を陥れるようにしている訳ではない)

「Fox News Sunday」にて、司会のクリス・ウォレスはクリントン元大統領に「政権担当時、ビンラディンに対してなぜ何もしなかったのか」と質問し、クリントンは激怒して反論した(クリントンがビンラディンへの対策をすすめていた事実と異なる質問であったため)。

地球温暖化対策を求めることをリベラルの「ヒステリー」だと決めつけ、国際的な合意であるとリベラル勢力の間では考えられている温室効果ガス排出規制の必要性に対して懐疑的な論者を持ち上げたり、『不都合な真実』で名を売ったアル・ゴア元米副大統領の自宅の高額な電気代を報じた。
銃規制に対しても批判的であり、2007年のバージニア工科大学銃乱射事件直後の番組で、あるコメンテーターは「大学側が銃規制を行ったのが問題なのであり、学生が武装していれば犯人が32人も撃ち殺す前に射殺できた」と学生の銃所持を肯定する発言をした。

ブッシュ政権や共和党と強いつながりがあり、正・副大統領を含めブッシュ政権の閣僚などがよく出演しており、狩猟中に誤射事件を起こした副大統領リチャード・チェイニーが事故後最初に同ニュースにテレビ出演した。トニー・スノー元大統領報道官(en:Tony Snow)はFOXの元キャスターである。

バラク・オバマ政権発足後も視聴者数は伸びており、オバマ政権に対する批判の急先鋒を担う(MSNBCが2006年からブッシュ政権を批判したように)。これらについてオバマ政権のコミュニケーション担当責任者アニタ・ダンは2009年10月、「FNCは事実関係を無視し、ニュース報道を偽装した世論誘導を行っている」と非難した。
基本的には記者取材のほか、全米のFox加盟局、イギリスSky Newsなどと連携して速報体制を敷いている。しかし、キャスターやコメンテーターのキャラクターが前面に出ており、影が薄い。

情報の裏付けが乏しい伝聞やデマに対するチェック体制が甘い為に、他のメディアに比べ物議を醸す報道も多い。オバマ大統領がインドネシア時代に通っていた学校ではイスラム過激派の教育を行っていたという放送を行ったが、CNNがジャカルタの特派員に取材させたところ誤りであった事が判明し、「FOXは取材すべきだ」と苦言を呈された。
(記事引用)
(再編集記事)

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米大統領にトランプ氏 共和党全国委員長を首席補佐官に起用
上級顧問に「クリントン・キラー」
産経ニュース / 2016年11月14日 11時7分
【ワシントン=加納宏幸】米共和党のトランプ米次期大統領は13日、新政権で大統領の右腕としてホワイトハウスの実務を取り仕切る大統領首席補佐官に、ライス・プリーバス党全国委員長(44)を起用すると発表した。プリーバス氏は下院共和党トップのライアン下院議長らと親しく、政治経験のないトランプ氏としては円滑な政権のため議会との調整役を期待したとみられる。

 選挙対策本部の最高責任者(CEO)を務めたスティーブン・バノン氏(62)の首席戦略官兼上級顧問への起用も発表した。トランプ氏は声明で「2人は高い能力を持つ指導者として歴史的勝利に導いた。ともにホワイトハウスで米国を再び偉大にするために働く」と説明した。

 プリーバス氏は全国の党組織を統括し、支持基盤の拡大や選挙戦略の調整を行う党全国委員長としてトランプ氏の勝利に貢献した。バノン氏は保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」会長から8月に陣営入りし、選挙戦を率いた。民主党候補だったクリントン前国務長官攻撃の急先鋒として知られる。

 トランプ氏は来年1月の政権発足に向けて、閣僚の人選も急ぐ。
(記事引用) 

 
トランプ氏当選これまで黙っていた人の勝利
水野文也前千葉県議会議員 経済ジャーナリスト
 ハフィントンポスト投稿日: 2016年11月12日 21時02分 JST 
米国大統領選挙は、大方の予想に反してトランプ氏が当選した。選挙人の数だけみれば、圧勝と言えるものの、投票数を見るとその表現は正しくない。クリントン氏の方が多かったという意味ではなく、得票差数が僅か20万票と稀に見る大接戦だったからだ。巷間、言われるように、文字通り国を二分する選挙だったのである。

「国を二分した」にはいろいろな"二分"があるだろう。変革か現状維持か、自由貿易か保護主義か、不法移民に寛容か排斥か──等々だが、私は"階層"の対立がこの結果を生んだのではないかと思っている。

報道では、トランプ氏の勝因で貧しい白人労働者層を取り込んだ、というのが目立つ。これらは、かつて米国では中間層だったとみることができる。真面目に働けば、将来はきっと良くなると思っていたところ、暮らし向きがよくなるどころか、貧しくなる一方。そこで、トランプ氏は良い候補とは思えないながらも、「何か変えてくれそう」との期待感から一票投じたとされる。

米国人の知人に話を聞くと、中間層の暮らしは、稼いでも税金やら保険やら給料から半分近く引かれ、病気になると高額な医療費を払わねばならないという。一方で、低所得者は手厚い保護を受け、一部の富裕層は優遇されている。「どこかおかしい」──今回の選挙では、初めて投票に行った人の割合が、過去の大統領選挙に比べて多かったと分析もあるが、そうした今まで黙っていた、我慢していた層が、抗議の意味を込めてトランプ氏に投じたというのだ。

そして、それらの層が従来は"サイレントマジョリティ"だったために、今回はこぞって投票に出向いたことで、番狂わせに繋がったのかもしれない。構図としては、「優遇されている層(低所得者層+富裕層、クリントン氏)」VS「我慢している層(中間層、トランプ氏)」だったのではないだろうか。

選挙戦の構図がこれだったとすれば、よく言われるポピュリズムの勝利との表現は、必ずしも適切ではないと思えてくる。過激な言動で有権者の関心を引き付けることは、選挙手法としてはポピュリズムの権化と言っても差し支えないだろうが、実際は、我慢していた現状を変えたいと目覚めるきっかけを与えたとみることができるのだ。優遇されている反対側から見れば、扇動するポピュリズムであっても、実を言えば、それは"黙らせたまま"にするための都合の良い言葉なのかもしれない。

さて、この構図だが、どこかの国も似たような状況と言えそうだ。米国ほどではないにせよ、日本も低所得者層と高所得者層が優遇され、一般的なサラリーマンなど中間層が損をしている現状があると思っている。所得での区分けが適切でなければ、既得権を持っている人、持っていない人、と分けることができるだろうか。

私は、自分のこれまでの政治活動において、真面目に働いてもなかなか報われない、大多数のサラリーマンの負担を軽するため、既得権を打破することを目指してきた。「都市住民に予算を取り戻そう!」、「サラリーマンの負担を軽くしよう!」──こう訴えてきた活動を通じ、不満のマグマがフツフツと沸いているように感じていた。

トランプ旋風とまでいかないながらも、ここにくるまで、マグマが噴出しかけた場面が何度かあったと思う。第三極のブーム、昨年に行われた大阪都構想の住民投票などがそれだ。

これらは、実を結ぶまでには至らなかったものの、その火が完全に消えた訳ではない。我慢している人、黙っている人は、きっかけを待っているだけなのだ。そう、米国でトランプ氏が現われたように、大衆を引き付けるカリスマやトリックスターの登場を──いつかはわからないし、起きないかもしれないが、日本でもトランプ旋風のような突風が吹く可能性が十分あると思っている。
(記事引用)
 

ブッシュはなぜ戦争を始めたのか
2004年2月 01 
ブッシュ政権は、親子ともイラクで戦争を行った。息子の方は、9.11を口実にアフガニスタンでも戦争をした。ブッシュはなぜこれほど戦争に熱心なのか。ブッシュは、石油や天然ガスが欲しくて戦争をしているのか。ブッシュの戦争を分析しよう。

1 : 9.11はアメリカの陰謀か

2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ事件[n]、所謂、9.11以降、ブッシュ政権は、「テロと戦うため」と称して、アフガニスタンやイラクを攻撃した。しかしながら、これらの戦争の出発点となった9.11に関しては、事件発生直後から、アメリカ政府による謀略ではないかという疑いがもたれている。一口に陰謀説といっても、いろいろな説があるわけだが、大きく分けて、アメリカ政府は、テロの計画を知りながら、その防止に努めず、むしろそれをアフガニスタン攻撃の口実として利用しようとしていたとする穏健版陰謀説と9.11はアメリカ政府による完全な自作自演であったとする過激版陰謀説の二つがある。

[n] 日本のメディアは「同時多発テロ」という名称を使っているが、英語圏では、“9.11”という名称が一般的である。読み方は、アメリカでは“September (the) eleven(th)”、イギリスでは“the eleventh of September”である。日本では、2.26(にいにいろく)事件などの読み方にならって、「きゅういちいち」と読むのが正しいようだ。なお、アメリカでは、“911”は、日本の“110”に相当する緊急通報専用電話番号である。9月11日という日付には、「緊急事態発生!直ちに出動せよ!」というメッセージがこめられている。この日付は、イスラム文化というよりもむしろアメリカの国内事情を知っている、かつまた被害者の立場に立ちうる犯人によって意図的に選ばれたと考えることができる。

穏健版の陰謀説は、事件が起きる前に、イスラエル、ドイツ、ロシア、イランなどの国の情報機関から、テロの計画の情報がアメリカに通告されていたにもかかわらず、アメリカ政府はこれを無視し、事件当日も、アメリカ空軍が、テロ被害の拡大を防ぐための適切な措置を行わなかったことから生まれた 。

2001年8月6日に、ブッシュ大統領がCIAから報告を受け、ハイジャックされた航空機による攻撃の事前警告を受けていたことを、ライス大統領補佐官が2002年5月15日に、そして、翌日(2002年5月16日)には、フライシャー報道官が、9.11の2日前に、ブッシュ大統領にアルカイダ掃討の詳細な戦争計画が渡され、戦争への大統領令を発動する準備が進められていたということを公式に認めた[r]。これで、なぜアメリカ政府が、事件後即座に、ろくに調査もせずに、事件の首謀者をオサマ・ビンラディンと断定したのかという謎を解くことができる。穏健版の陰謀説は、正しかったのだ。

[r] ライス米大統領補佐官(当時)は、2004年4月8日午前、米独立調査委員会の公聴会で証言し、9.11の約1カ月前に提出した大統領への報告日録の表題が「オサマ・ビンラディン、米本土攻撃を決意」で、「非常に大きな事件が起きる」などの通信も傍受し、国際テロ組織アルカイダが米本土を攻撃する意図を事前に認識していていたことを認めた。大統領補佐官は、「航空機を兵器として使うという分析が報告されたことはなかった」と語り、事件は想定外の攻撃方法だったと言っているが、2004年4月19日付の米紙USAトゥデーによると、北米航空宇宙防衛司令部(NORD)は、9.11が起きる2年前に、テロリストに乗っ取られた航空機が世界貿易センターなどに突っ込む「自爆テロ」を想定して模擬演習していたとのことである。

2 : 過激版の陰謀論

過激版の陰謀論[m]は、さらに一歩進んで、9.11の首謀者がアメリカ政府だとまで主張する。9.11の首謀者はオサマ・ビンラディンで、実行犯はイスラム原理主義者というのがアメリカ政府の主張であるが、その証拠とされるものは、どれも疑わしいものばかりで、実行犯とされたイスラム原理主義者たちの名前は、実際には、公式の搭乗者名簿に一人も載っていなかったと言われている。では、その場合、実行犯は誰だったのか。実は、アメリカ政府は、この問題を含めて、事件の真相解明に熱心ではない。例えば、アメリカン航空やユナイテッド航空など、テロ直後急落した会社の株の大規模な空売りで巨額の利益を手にした投機家がいるが、SEC(米証券取引委員会)は、首謀者を突き止める上で重要なこの情報を公開しようとしない。

[m] 過激版陰謀論の中で最も有名なのは、フランスでベストセラーになった、Thierry Meyssan 著の 9.11: The Big Lie(フランス語の原著)である。Thierry Meyssan は、ユナイテッド航空の757機が激突して米国国防総省(ペンタゴン)ビルの一部を破壊したという通説を批判している。破壊された箇所が、飛行機よりも小さく、現場に、飛行機の残骸が全く残っていないことが根拠である。

航空機が世界貿易ビルに激突したのは、イスラム原理主義者たちの自爆行為によってではなく、地上からの遠隔誘導リモコン操作によってであるという陰謀論もある。真相を知るには、ブラック・ボックスを回収して、それを解析しなければならないのだが、当局は、一方では、焼き焦げた跡すらないテロリストのパスポートを現場から回収したとしながら、耐熱性が高いはずのブラック・ボックスは、高熱のために破壊されたといって、その内容を公開しない。

陰謀論者たちは、さらに、アメリカの仇敵とされるオサマ・ビンラディンが、実はCIAの工作員ではないかと疑っている。1980年代に、アフガニスタンに侵略したソ連軍と戦うために、オサマ・ビンラディンがCIAと提携していたことはよく知られているが、91年の湾岸戦争をきっかけに、反米テロリストになったというのは本当だろうか[a]。2001年10月31日付のフランスの新聞『フィガロ』は、9.11の2ヶ月前、CIAのドバイ支局責任者が中東ドバイのアメリカン病院に入院していたビンラディンに会いに行ったことを暴露した。また同じ時期に、アメリカの雑誌『ビレッジ・ボイス』は、1996年に、スーダン政府が、スーダンに亡命し、既にアメリカから危険視されているはずのビンラディンの身柄を引き渡したいとCIAに申し出たところ、断られ、タリバンのいるアフガニスタンに亡命させるように頼まれたと報道した。

[a] 2004年9月11日にテレビ朝日が放送した「ビートたけしのこんなはずでは!! 世界を震撼 9・11同時多発テロ!! ブッシュは全てを知っていた!?」は、2000年夏、アフガニスタンで行われたオサマビンラディンの息子の結婚式にビンラディン一族が何人も映っているビデオを証拠として挙げていた。

3 : アメリカはリフレのために戦争をする

過激版の陰謀論がどこまで正しいのかは、現時点では自信を持って断言できないけれども、戦争の口実を求めていたアメリカ政府が、9.11に何らかの形で関わっていた可能性はかなり高いと私は考えている。太平洋戦争のきっかけとなった真珠湾攻撃、ベトナム戦争のきっかけとなったトンキン湾事件、あるいは湾岸戦争のきっかけとなったイラクのクウェート侵攻などの過去の事例を見ればわかるように、工作活動によって戦争の大義名分を捏造することは、アメリカの常套手段である。

私は、「ニューディールは成功したのか」で、アメリカが日本を真珠湾攻撃へと誘導したのは、戦争によって大恐慌以来のデフレを克服する必要があったからだという見解を示した。同じ説明は、9.11にも使うことができる。すなわち、アメリカは、ネットバブルの崩壊によって生じたデフレの危機から脱却するために戦争をする必要があったのであり、9.11は、世論を戦争へ駆り立てるため、アメリカ政府が以前から起きることを望んでいたテロ活動だったと考えることができる。

対アフガニスタン戦争の大義名分は、テロ支援国家を壊滅させることで、対イラク戦争の大義名分は、イラクから大量破壊兵器を除去することだった。9.11がアメリカの狂言ならば、あるいはイラクに大量破壊兵器がないのならば、アメリカは戦争の大義名分を失う。しかし、だからといって、アメリカの戦争が失敗だったとは言えない。

戦争のリフレ効果をナスダック総合指数で確認してみよう。ナスダック総合指数は、2000年3月に頂点に達したが、9.11の時にはその1/3にまで下落した。その後アフガニスタンへの攻撃が始まると、株価は急速に回復し、資産デフレが是正された。戦争が終了した2001年12月になると、エンロン社の経営破綻をきっかけとして、不正会計操作などのスキャンダルが数多くの企業で相次いで発覚し、株価は再びバブル崩壊後の最安値をつける。しかし、対イラク戦争とともに、株価は再び上昇し、現在に至っている。このように、戦争ケインズ主義は、今日においても有効なのであり、ブッシュが対イラク戦争を始めたのは、国民の関心を、自分自身に飛び火したエンロン・スキャンダルからそらすためだけではなかった。

4 : アメリカの戦争は石油が目当てか

読者の中には、「ブッシュの戦争は、エネルギー資源が目当てではないのか」と反論する向きもあるに違いない。たしかに、多くの人は、対イラク戦争は、石油のための戦争だと思っている。アフガニスタンは、トルクメニスタンに埋蔵されている豊富な天然ガスを輸送するパイプラインの通路に当たることから、天然ガスを手に入れるために、ブッシュ政権は、邪魔となっているアルカイダをアフガニスタンから一掃したのではないかとよく言われる[i]。この通説は、はたして正しいだろうか。

[i] クリントン大統領の時代、パイプライン建設計画で、タリバンとアメリカ政府は、当初協力的な関係にあったが、タリバンの人権侵害に対する非難が国内で強くなってきたために、クリントン政権は、タリバン政権を一転して不承認にしてしまい、パイプライン建設計画は、頓挫した。これについては、板垣英憲『ブッシュの陰謀―対テロ戦争・知られざるシナリオ』 を参照されたい。タリバンがオサマ・ビンラディンを使って対米テロを始めたのは、その報復としてであると言われている。もっとも、そのオサマ・ビンラディンは、二重スパイならぬ二重工作員の可能性があるのだが。

物不足を解消するために、他の国から《物》を奪う戦争をディスインフレ型戦争と名付けることにしよう。この型の戦争は、物余りを解消するために《物》を浪費するリフレ型戦争とは区別される。ディスインフレ型戦争は、主として、生産力が低かった前近代社会に見られるタイプの戦争であり、これに対して、アメリカのような現代の先進国がする戦争は、リフレ型の戦争が多い。そして、ブッシュの戦争も、石油や天然ガスといった《物》を手に入れるためのディスインフレ型戦争ではなかったと私は考えている。

石油価格は、2000年の物価基準をもとに計算すると、1973年から1985年にかけては、1バレル当たり30-60ドルだったが、1985年以降は、10-30ドルの低水準で推移している。もしも、アメリカが石油それ自体を欲しがっていたとするならば、なぜアメリカは、《物》としての石油の希少価値が最も高かった時に「石油のための戦争」をせずに、石油価格が暴落した後で、「石油のための戦争」と呼ばれる戦争をしたのだろうか。特に、9.11の時には、バブル崩壊後の不況ということもあって、エネルギー需要が小さく、戦争をしてまでエネルギー資源を求めるような状況ではなかった。

イラクを占拠している英米は、イラク政府が適正に樹立されるまでの間、イラクでの石油、天然ガスの輸出売り上げはすべてイラク支援基金に入れ、基金からの支出は、イラク暫定政権と協議の上、米英の監督下で行うという案を出した。もしも、英米が求めているものが石油や天然ガスならば、輸出先を英米に限定するという条件をつけることがあってもよさそうなのだが、もちろんそのようなことはない。アメリカは国内に油田があるので、他の先進国と比べるならば、石油の輸入依存度が高くない。イギリスなどは、逆に石油を輸出しているぐらいである。

ブッシュ政権は、石油業界と癒着しているので、石油業界の利益のために戦争をするという説明もよく聞くが、この説も正しくない。なるほど、ブッシュ大統領もチェイニー副大統領も石油会社の経営者だったし、エネルギー産業から献金も受けている。しかし、イラクからフセインを追放し、イラクに対する制裁措置を解除し、英米が実際にこれからそうしようとしているように、イラクの原油生産を増やすならば、他の産油国が減産に協力でもしない限り、原油価格は下落し、石油業界は打撃を受ける。

アメリカの国務省の「将来のイラク・プロジェクト」石油部会は、イラクの国営石油公社を段階的に民営化し、70%はアメリカの石油会社に、30%は外資(多分イギリス)の会社に管理させる方向を打ち出した。資源ナショナリズムの反発が予想されるので、この企みは成功しそうにもないが、もしも、このおこぼれに与ることができるならば、石油会社の中にも、儲かるところが出てくるかもしれない。戦争によって、一時的に石油価格が高騰するということも石油業界に利益をもたらすが、全体として、ブッシュの戦争が石油業界の利益に貢献しているとは言いがたい。

日本政府の公共事業が建設業界の利益に貢献できるのは、公共事業が業界の需要を増やすからであって、供給を増やすからではない。ブッシュの戦争によって、需給関係が好転するのは、石油産業よりも軍需産業の方である。ブッシュ政権でのエネルギー産業関係者が21人であるのに対して、軍需産業関係者は32人もいるので、ブッシュ政権は、石油産業のための政権と名付けるよりも、軍需産業のための政権と名付けた方が適切かもしれない。もとより、特定の業界のための政権は長続きしない。数々のスキャンダルにもかかわらず、ブッシュ大統領の支持率が依然として高いのは、幅広い分野の業界が、特需の恩恵に浴することができるからである。

では、かつてのアメリカが、日独伊、朝鮮半島、ベトナムといった、エネルギー資源という点であまり魅力的でない地域の国と戦争をしていたのに対して、ブッシュ親子が、石油の利権が絡む地域を選んで戦争をしたのはなぜだろうか。この問いに答えるには、レーガン時代以降のアメリカ経済の変質について語らなければならない。

5 : 変質したアメリカの戦争

第二次世界大戦が終わった時、アメリカは世界最大の債権国であり、アメリカの財務省は、世界中の金の60%を保有していた。アメリカは、国内に豊富な戦争資金があった冷戦時代の前半、現在のように、自国の経済成長のために同盟国の金を使って戦争をするのではなく、同盟国の経済成長のために自国の金を使って戦争をしていた。例えば、朝鮮戦争は日本に特需景気をもたらし、ベトナム戦争は韓国に特需景気をもたらした。当時のアメリカは、日本や韓国にとって、成長のための母乳を与え、共産主義という外敵から自分たちを守ってくれる母のような存在だった。

ところが、レーガンの時代以降、双子の赤字(財政赤字と経常赤字)が増大すると、アメリカの戦争の方法が変化する。戦争の本質がリフレーションであることには変わりないが、アメリカは、もはや戦争資金を国内だけでは調達することができなくなったため、同盟国に「国際貢献」、すなわち戦争資金の献上を要求するようになった。湾岸戦争はその代表的な例である。

1987年10月19日の月曜日、ニューヨーク株式市場の株価が22.6%下落するブラック・マンデーが起きた。日銀が低金利政策を長期にわたって継続したおかげで、アメリカは恐慌に陥らずにすんだのだが、このアメリカ救済策は日本にバブル経済という副作用をもたらした。1990年1月にバブル経済が崩壊すると、世界的なデフレ懸念が生じ、このため、ブッシュ・シニア大統領(ブッシュ・ジュニア大統領の父親)は、イラクとの戦争によって、デフレの危機を克服しようとした。

もともとアメリカは、イラン・イラク戦争でイラク側を支援していた。アメリカは、日本やヨーロッパに圧力をかけてイラクの石油を買わせ、そしてイラクは石油を売った金でアメリカから武器を買った。1988年にイラン・イラク戦争が終わると、アメリカは、大量の武器を持ったイラクとの戦争を計画し始めた。時あたかも、ブラック・マンデー後の、戦争の必要性が出てきた頃である。計画は、89年に戦争計画1002-90としてまとめられ、翌年にはコンピュータによる図上演習が行われた。

もっとも、長年の戦争に疲弊していたイラクには、新たに戦争を始める意欲がなかったので、アメリカは、イラクに対する最大の債権国である隣国クウェートに、イラクを挑発させることにした。すなわち、クウェートは、OPECの割当量以上に石油を生産し、石油価格を下落させ、石油の売却益で債務を返済しようとしていたイラクの計画を挫折させ、それでいて、債務免除には一切応じずに、即刻返済を迫った。さらにクウェートは、アメリカから供与された傾斜穿孔技術により、イラク領内に位置するルメイラ油田から石油を盗掘していた。激怒したサダム・フセインは、1990年8月、クウェートに侵攻した[H]。

[H] フセインが、2003年12月に拘束された後、米連邦捜査局(FBI)の取り調べに対して行った供述によると、原油の盗掘などの懸案を協議するためにフセインが外相を派遣した際、クウェート首長は外相に、すべてのイラク人女性を10ドルの売春婦として差し出すまでは盗掘を止めないと言い、その侮辱的な態度に罰を下すために、侵攻を決断したとのことである。クウェート首長の発言は、外交儀礼上あり得ない内容であり、意図的にイラクを挑発しようとしたことが窺える。

「窮鼠猫を噛む」という諺がある。弱者であっても、退路を断たれ、逃げられない窮地に追い込まれれば、強者に必死の反撃をするという意味である。追い詰められたイラクというネズミは、ABCD 包囲網によって窮地に立ったかつての日本と同様に、猫に噛み付く以外に事態を打開する方法がなかった。こうしてネズミに噛み付かせ、被害者の立場を演じることで国際世論を味方につけ、「正義」を声高に叫びながらネズミ退治をする、これがアメリカが得意とする方法である。

アメリカが戦争に踏み切った1991年1月は、ちょうど世界が不況の谷間にあった時期だった。ベーカー長官は、「砂漠の嵐作戦は、アメリカ人の雇用を守る」と言って、湾岸戦争を正当化しようとしたが、この理由は正直すぎて不評だった。これに対して、ブッシュ・シニア大統領は、「イラクの核武装阻止」を戦争の大義名分として掲げた。こちらの大義名分のほうが、世論の受けが良かったが、それが戦争を始めた本当の理由ではなかったことは、ブッシュ・シニア政権がイラクに核兵器開発用の機器を密かに売っていたことから明らかである。

後に発覚して、イラクゲートと名付けられるスキャンダルに発展したことなのだが、ブッシュ・シニア政権は、イラン・イラク戦争が終わった後も、イラクがクウェートに侵攻した後も、こっそりとイラクに武器を売り続けた 。そして湾岸戦争では、アメリカが作ってイラクが買った兵器をアメリカの兵器が破壊する光景が見られた。ケインズではないが、穴を掘って埋めるだけの無駄な公共事業でも、やれば景気は良くなる。ダウ指数その他景気の先行指数を見ればわかるように、1991年の湾岸戦争を境に、アメリカ経済は好転し始めた。

ブッシュ・シニアは戦争には勝ったけれども、景気回復には失敗したという評をよく聞くが、これは間違いである。92年の大統領選で、ブッシュ・シニアがクリントンに敗れたのは、景気回復が当初ジョブレス・リカバリーで、国民の多くが雇用の改善を実感できなかったためと、イラクゲート・スキャンダルの発覚のためである。クリントンの時代にアメリカ経済は黄金時代を迎えるが、それはブッシュ・シニアが蒔いた種が成長したからであって、クリントンの功績ではない。

湾岸戦争がアメリカに繁栄の10年をもたらしたのに対して、日本には「失われた10年」しかもたらさなかった。それは、日本が、日本のマネーを日本の繁栄のために使うことができなかったからだ。湾岸戦争でアメリカが使った金は、約610億ドルで、そのうち9割近くは、他の国が拠出した。ちなみに日本が拠出した金額は、合計135億ドルで、この出費は国債の発行と増税で賄われた。湾岸戦争のおかげで、1991年に、アメリカは、10年ぶりに経常収支を黒字にすることができた。そして、その後ネットバブルを発生させ、他の国からの資本フローによって、経常赤字をファイナンスした。

経常赤字の問題を解決したいのなら、アメリカは、戦争ビジネスで儲けるなどという邪道を捨て、先進国らしく国内にハイテク産業を育てればよいではないかと読者は思うかもしれない。しかし、画期的な新技術の多くは、軍需産業における採算を度外視した研究開発から生まれるものであり、例えば90年代のバブルでもてはやされたインターネットも、アメリカ政府による軍事技術への投資の中から生まれてきたテクノロジーなのである。

今後アメリカは、デフレになると他の国の金を使って戦争し、リフレを行い、インフレになると軍縮によって軍需技術を民間に移転し、経常黒字国からの投資でハイテク産業を育て、そしてバブルが崩壊し、再びデフレになると、工作活動によって戦争の口実を捏造し…というサイクルを繰り返すことで、平和な時も戦争の時も、他の国民のマネーを搾取しながら自らの繁栄を維持していこうとするだろう。

今回の、ブッシュ・ジュニア大統領の対イラク戦争は、ブッシュ・シニア大統領の湾岸戦争の時とは違って、多くの国の理解を得ることができなかった。それでも、ネオコンが強引に戦争に踏み切ったのは、他の国から拠出金が得られなくても、イラクの石油で戦争資金を賄うことができると計算したからだ。ネオコンが石油利権にこだわるのは、石油そのものが欲しいからではなく、戦争資金が欲しいからだ。アメリカは、石油を媒介にした三角貿易で、経常赤字を解消しようとしているのであるが、もしそれがうまく行かなければ、直接日本に資金拠出を迫ることになるだろう。

6 : 追記(陰謀論のその後)

ブッシュ大統領による「テロとの戦い」の発端となった、9.11 アメリカ同時多発テロ事件に、実はブッシュ政権が何らかの形で関与したのではないかという陰謀論が、アメリカ人の間ですら支持者を見出すようになった。特に、ネットで話題の“Loose Change 解き放たれた変革”に焦点を当てて、9.11 陰謀論のその後を紹介しよう。

2005年4月13日、9.11 陰謀論をまとめたドキュメンタリ映画“Loose Change”(ディレクター:Dylan Avery, プロデューサー:Korey Rowe)が一部の過激派向けに公開された(ウェブサイト:Loose Change Website:Loose Change)。この映画は、その後、第二版が製作され、間違いの修正や内容の増強が行われた。第二版には、日本語版をはじめ各国語版が作られ、大きな反響を呼んだ。2007年に、最終版となる “Loose Change Final Cut” が製作され、公開された。


Vid.02. 9.11 – Loose Change: Final Cut FULL VERSION. Source:YouTube
内容は、これまで指摘されてきた9.11の疑問点をまとめたものになっている。日本では、2004年9月11日に、テレビ朝日が「ビートたけしのこんなはずでは!! 世界を震撼 9・11同時多発テロ!! ブッシュは全てを知っていた!?」を放送し、ユナイテッド航空93便では、携帯電話が使用できないことから、飛行機からかえられた電話が音声合成によって作られたものだという説を出していたが、このビデオもその説をとっている。

ネット上では、これ以外にも、いろいろと興味深いドキュメンタリ・ビデオが無料で公開されている。“Loose Change 2nd Edition Recut”は、世界貿易センタービルで起きたアメリカン航空11便テロ事件とユナイテッド航空175便テロ事件、アメリカ国防総省本庁舎(ペンタゴン)で起きたアメリカン航空77便テロ事件、ペンシルヴァニア州のピッツバーグ郊外で起きたユナイテッド航空93便テロ事件のすべてに対して、通説を否定し、積極的に陰謀論を唱えているが、“9.11 Mysteries (Full Length, High Quality) ”は、世界貿易センタービルに焦点を絞って、航空機の激突でビルが崩壊したという公式見解に疑問を呈している。ドキュメンタリ映画としては、ルース・チェンジよりも質が高い。

“9.11 Press For Truth”は、被害者の家族の視点から、ブッシュ政権に対する不信感を表明している。ブッシュ政権がテロの警告を事前に受けながら、それを無視して何もしなかった疑惑、報復として行われたはずのアフガニスタン侵攻で、米軍が意図的にオサマ・ビンラディンをパキスタンに逃がした疑惑、パキスタンのISI(Inter-Services Intelligence)からテロ実行犯へ送金した疑惑が取り上げられている。私は、穏健版の陰謀論と過激版の陰謀論を区別したが、このビデオは、前者に基づいている。

これ以外に、風変わりで興味深いものとして、Alex Jones のビデオ“Martial Law 9.11: Rise of the Police State”がある。ブッシュ政権は、テロ対策を口実にアメリカを警察管理国家にしようとしているという趣旨のビデオで、前半はやや退屈だが、後半(1時間40分後)、ボヘミアン・グロウヴのあたりから面白くなる。ボヘミアン・グロウヴについては、このビデオより前にリリースされた“Dark Secrets Inside Bohemian Grove”に詳しい。真偽のほどは定かではないが、世界制覇を目指すカルト・ネットワークにアメリカの政界の要人が関わっているとのことである。

ルース・チェンジの成功に刺激されて、様々な陰謀論に基づくビデオが作られ、ネットで公開されているが、他方で、“Screw Loose Change”のように、ルースチェンジの根拠に逐一反論を加えたカウンタービデオも公開されている。例えば、ルース・チェンジは、ペンタゴン(アメリカ国防総省の本部庁舎)にできた穴は、アメリカン航空77便の大きさに比べて小さすぎるというが、アメリカン航空77便が突入したのは、下の写真(Fig.02)に写っている右側の小さな黒い穴ではなくて、左側の大きな崩壊箇所であるといったことが指摘されている。

ルース・チェンジは、世界貿易センタービルが崩壊した時に多くの爆発が起きたは、遠隔操作で爆薬を使って解体が行われたからで、映像には、崩壊時に爆発の煙が見えると言っている。しかし、スクルー・ルース・チェンジは、爆弾による解体では、爆発の煙は、崩壊の前に見られはずだし、また映像には、解体に先立つ、パチパチという音や閃光が確認できないなどと反論している。
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Fig.03. V フォー・ヴェンデッタの仮面。その後情報統制に反対するためのデモなどでよく使われるようになった。
 
9.11は、私たちが、権力者によって統制された情報の中で生きているのではないかという疑問を抱かせることになった。2006年3月17日(日本では2006年4月22日)より、『V フォー・ヴェンデッタ』というワーナー・ブラザーズ製作・配給の映画が公開されたが、これは9.11のパロディ映画ではないかと見られている(注意:以下、作品の内容の一部がわかる記述がなされています)。

監督は『マトリックス』三部作の助監督を勤めたジェームズ・マクティーグで、製作・脚本は『マトリックス』シリーズのウォシャウスキー兄弟で、主人公のV役を『マトリックス』でエージェント・スミス役を演じたヒューゴ・ウィーヴィングが担当している。『マトリックス』と同様に、洗脳からの覚醒と体制への反逆が主題となっている。

この映画では、自国民にバイオテロ攻撃を仕掛け、それをテロリストの仕業と宣伝し、あらかじめ開発・用意した特効薬で危機を救って、英雄となり、権力を握った独裁者、アダム・サトラー宰相[s]が登場する。アダム・サトラー(Adam Sutler)のモデルは、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)である。ホロコーストをイメージした生体実験のシーンが出てくるし、ヒトラーをイメージした演説シーンも出てくる 。

[s]この映画の日本語版では、“Chancellor Sutler”を「サトラー議長」と訳しているが、独裁者のイメージがわかないので、良い訳ではない。“Chancellor”は、ヒトラーの肩書きの英語訳で、ドイツ語の“Reichskanzler(帝国宰相)”に相当する。「宰相」ないし「首相」と訳すべきだろう。

サトラー宰相によるバイオテロの狂言とそれを口実にした圧政は、9.11陰謀論に基づいているとみなすことができる。実際、この映画には、イラク戦争や反イラク戦争のデモの映像が含まれている。この映画の中に、テロリストVの仮面を剥がしてみると、実はサトラー宰相というテレビ番組が出てくるが、この番組はサトラー宰相に対する痛烈な皮肉であり、トーク・ショー番組のホスト、ゴードンが逮捕されるのも当然である。

この映画は、1982年から85年にかけて、イギリスのコミック雑誌『ウォリアー』に連載された同名の漫画『V フォー・ヴェンデッタ』を原作としている。近未来のフィクションといっても、原作には、当時の冷戦時代の状況を反映した古臭さがあるので、この映画は、現代の政治状況を反映させるように、内容をアップデートしている。

もっとも、独裁者が、BBC をイメージした BTN(British Television Network)を通じて国民を洗脳し、その洗脳を打破するためにVがBTNを乗っ取って、国民にメッセージを流すというあたりには、依然として古さを感じる。現代では、中央集権的なマスメディアにはもはや国民を洗脳するほどのパワーがない。『ルース・チェンジ』がネット上で流布したことからもわかるように、9.11 陰謀論のような反体制的な言説は、インターネットを通じて広がる。

『V フォー・ヴェンデッタ』は、ジョージ・オーウェルの小説『1984年』の影響も受けている。この近未来反ユートピア小説では、市民は常にテレスクリーンによって監視されていることになっている。当時普及していなかった監視カメラが普及するようになったのだから、その意味では、現代の情報社会は管理社会化しているということができるが、インターネットは、ビッグ・ブラザーが市民を監視するための情報技術ではない。インターネットでは、一者が多数を監視するのではなくて、多数が多数を監視している。インターネットのような分権的メディアの発達によって、全体主義的な世論操作は、難しくなっている。

7 : 参照情報

↑ 田中宇.『仕組まれた9.11―アメリカは戦争を欲していた』. 東京: PHP研究所, 2002. 第一章.
↑ 田原牧. 『ネオコンとは何か―アメリカ新保守主義派の野望』. 東京; 東京: 世界書院, 2003. p. 102.
↑ ラムゼー・クラーク.『ラムゼー・クラークの湾岸戦争―いま戦争はこうして作られる』Translated by 中平信也. 地湧社, 1994.
↑ “What really triggered it for him, according to Saddam, was he had sent his foreign minister to Kuwait to meet with the Emir Al Sabah, the former leader of Kuwait, to try to resolve some of these issues. And the Emir told the foreign minister of Iraq that he would not stop doing what he was doing until he turned every Iraqi woman into a $10 prostitute. And that really sealed it for him, to invade Kuwait. He wanted to punish, he told me, Emir Al Sabah, for saying that.” CBS News. Interrogator Shares Saddam’s Confessions Tells 60 Minutes Former Iraqi Dictator Didn’t Expect U.S. Invasion. January 24, 2008.
↑ Alan Friedman. Spider’s Web: The Secret History of How the White House Illegally Armed Iraq. ブッシュ・シニアの父親であるプレスコット・ブッシュも、アメリカとドイツが戦争している時、ナチスと密かに交易をしていたので、敵国との取引は、ブッシュ家のお家芸と言える。
↑ Pentagon Building Performance Study Team. “The Pentagon Building Performance Report: Pentagon Building Performance Study Team.” Amer Society of Civil Engineers. p.4.
↑ “V for vendetta” by Dranka11 is licensed under CC-BY-SA.
読書案内
書名 ネオコンとは何か―アメリカ新保守主義派の野望
媒体 新書
著者 田原 牧
出版社と出版時期 世界書院, 2003/07このページをフォローする
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