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『二つの川の間』という意味のメソポタミア(現在のシリアやイラクの地方)の神話である。紀元前3千年頃のシュメール文明で生まれたシュメール神話を起源とし、バビロニア王ハンムラビがアッシリアを制圧した紀元前1750年頃に成立した。その中には一部、旧約聖書の創世記モデルとなったような部分も存在する。(ウトナピシュティムの洪水物語がノアとノアの箱舟の大洪水物語の原型となったとする説もある)。この神話で有名な部分は天地創造や半神の英雄ギルガメシュの冒険などが挙げられる。(検索ウキペディア)

2017年07月

イベントと放送作家
イベント企画 西原健太郎 2017年07月29日 16:24 記事
関東地方では長かった梅雨も明け、夏本番を迎えた今日この頃。みなさんいかがお過ごしでしょうか? 

私はというと、世間は夏休みということもあり、週末は毎週イベントの仕事が続いております。『イベントの仕事』というのは、ラジオで言えば公開録音であったり、はたまた何かの発売記念イベントであったり…お客さんの前で行う催し物を、我々の業界では総じて『イベント』と呼んでいます。 

このコラムを読んでいる皆さんの中にも、学生の頃学園祭などで、イベントを企画・運営されていた方も多いのではないでしょうか? 

そして、イベントの現場にはラジオとはまた違うルールがあったりします。というわけで、今回は『イベントの仕事』について、経験も踏まえて書いてみようかと思います。 

イベントの台本は番組より難しい
放送作家は、ラジオやテレビの台本を書くのが主な仕事ですが、イベントの台本を書くことも仕事の一つです。ただ、イベントの台本はラジオやテレビの台本よりも、書く難易度が格段に上がります。その理由は以下の通りです。 

まず、基本イベントはお客さんの前で行うので、失敗は許されません。イベントの進行が滞っても、やり直しをすることは出来ないのです。 

また、イベントは主にホールを借りて行うことが多いのですが、ホールなどの会場には、借りられる時間の制限があります。イベントは与えられた時間を守って、準備・本番を進行しないといけので(時間を守らないスタッフや司会者もいますが)、時間に正確な台本が求められます。 そして、イベントはラジオとは違い、関わっている人数が桁違いです。ラジオはそれこそディレクターが一人いれば収録できますが、イベントは舞台監督・音響・照明・会場運営…など、役割分担も細分化されており、それぞれの役割を何人ものスタッフが担当します。 

少なく見積もってもラジオの5〜10倍のスタッフが一つの台本で動くのです。それほどの人数を動かす台本は、簡単に書けるものではありません。出演者のセリフ、音、出演者の動き、照明、大道具・小道具の出し入れ…様々なことに気を配らないといけません。 

そんなわけで、ラジオの台本は書けても、イベント台本をきちんと書ける放送作家は、実はあまり多くないのですが、台本を書くこと以外にも、放送作家がイベントを担当するときには、様々なことに気を配らないといけません。その中で一番大事なのが、『他のスタッフとできるだけコミュニケーションを図る』という事です。 

例えば、イベントスタッフは職人肌の人が多いのですが、職人肌の人とうまく付き合っていかないと、イベントは成功しません。ラジオのスタッフにも職人肌の人は多いですが、イベントスタッフの比ではありません。
頑固な舞台スタッフと円滑に仕事をするコツ
音響や照明を担当するスタッフは、舞台関係のスタッフを兼ねていることが多く、舞台関係のスタッフは総じて職人肌だったりします。職人肌の人は、良く言えばプロ意識の塊。悪く言えば頑固者です。うまく付き合えばこちらの意図を超える、素晴らしい演出を見せてくれますが、逆に付き合いをおろそかにすると、ヘソを曲げてしまい全く動いてくれなかったりします。 

ではどうやってコミュニケーションを図るのか…様々な方法があるのですが、その中のいくつかを今日はご紹介します。 

まず、イベントの前に、放送作家は『イベント台本』と呼ばれる、セリフや動き、照明、音のタイミングなどが書かれた台本を作成します。空間をイメージして、セリフや動きを台本に書いていくのですが、その時、『具体的な演出プラン』はあえて書かないようにします。 

ここで言う『具体的な演出プラン』と言うのは、照明の明るさや、舞台を盛り上げる音の種類などですが、実は書こうと思えば、プロの放送作家であれば、とことん具体的に書くことができます。 

でも、そこはあえて書かずに、職人である各セクションの皆さんにお任せします。ここで大事なのは、『書かなくてもわかるでしょ?』という雰囲気を醸し出すのではなく、『具体的な演出プランはプロである皆さんにお任せします』という姿勢で、『自分はその道のプロではありませんが、イベントを成功させたいと思っています。皆さんの力を貸してください』と言うメッセージを台本に込めるのです。そうすると、自然と職人肌のスタッフは自分の力をイベントに注いでくれるようになるのです。 

また、イベントに関わるスタッフは、その日限りの付き合いであることも多いのですが、『たった1日ですが、よろしくお願いします!』という姿勢を見せるというのも大事です。 

具体的には、イベント会場に入ったら、まずスタッフ全員に挨拶をして回ったり、具体的な行動でそれを示します。実は放送作家は、イベントの台本を書いた後は、当日現場ではあまり放送作家としての仕事がありません。 

でも、舞台進行中になにか演出面で不具合が生じたり、とっさの判断が必要な時には、放送作家として意見を出さないといけないので、できるだけその現場にいなくてはいけません。そして、何かあったときにうまく対応できるかどうかは、各セクションのスタッフと、事前にいかにコミュニケーションが取れているかがキーになるのです。 

他にも、イベントを成功させるためには、様々なテクニックがあるのですが、その全てに共通しているのは、『みんなの力を合わせられるように振る舞う』という事です。これからの季節、学生の皆さんは学園祭など、自分がイベントを企画・運営する立場になる人もいるかもしれません。自分たちのイベントを成功させたいと思った時は、是非このコラムを思い出して、参考にしていただけたら幸いです。

「戦火のマエストロ・近衛秀麿」について
「近衛秀麿という人物がユダヤ人の命を救っていた」という話を始めて聞いたのは、いまから1年半ほど前、秀麿の音楽やその人生を30年近くに渡って追ってきた音楽プロデューサーからでした。
最初はにわかに信じられませんでした。なにせ、近衛秀麿といえば、戦争へと向かう日本で首相を務めた近衛文磨の弟。そんな人が果たしてユダヤ人を救うというようなことをするのだろうか?そう思ったからです。
その後、秀麿について書かれた本を読んでみると、指揮者としてベルリンフィルでタクトを振った最初の日本人だったことや、「NHK交響楽団」の前身である「新交響楽団」を設立したこと、アメリカやヨーロッパで活躍していた事などがわかり、音楽家として世界的に活動した人だったということがわかりました。しかし、それでもユダヤ人を救っていたという話はどこにも出てきません。わずかに、本人が書いた自伝に数行だけ「救われたユダヤ人家族は10以上」、「日本大使館のY君が担当した」といった謎めいた記述があるだけです。
これ程度の情報で本当に番組になるのか?不安はありましたが、調べてみる事にしました。すると秀麿が米軍から受けた尋問の調書がアメリカ国立公文書館から発見され、そこに亡命幇助の一端が記されていたのです。しかし、ここから番組ディレクターの苦悩が始まります。証言者を世界中から探さなければならなかったからです。日本、ドイツ、イスラエル、アメリカ、イギリス、ベルギー…1年に渡る執念の調査から何がわかったのか?それは番組を見てのお楽しみですが、「凄い!」ことは間違いありません。

一つだけ、今回の取材を通してわかったことを書きたいと思います。それは、「ユダヤ人を救った」という話は、戦後ながらく日本だけでなく、ヨーロッパでもタブーだったということです。亡命に成功した人たちも「誰のおかげで亡命できたか」また「どうやって逃げたか」などデリケートな話は決して口にしなかったと言います。一方で、亡命を助けた側も同じでした。だからこそ、近衛秀麿の物語も長い間語られる事はなかったのです。
戦後70年という時間を経ていま浮かび上がる意外な真実。ぜひご覧ください!

水野重理(みずの・しげのり) 番組プロデューサー
番組内容
元首相・近衛文麿の弟であり、同盟国の客人としてナチスからも活動を許されていた秀麿の水面下での知られざる活動。それは、戦後、連合国側の取り調べから明らかになった。今回番組では、アメリカ公文書館で見つかった調書や、秀麿を知る関係者の証言を通じて、ユダヤ人演奏家たちの亡命を助けていた実態や音楽に身をささげたその個性を描き出す。
【出演】藤田由之,鳩山寛,クロイツァー・凉子,水谷川優子,水谷川忠俊,本多章一,【語り】益岡徹  玉木宏
俳優・玉木宏が迫る新感覚音楽ミステリー!ナチス・ドイツの嵐が吹き荒れる欧州で活躍した音楽家・近衛秀麿。世界最高峰のベルリンフィルで初めて指揮をした日本人だ。彼は、自身のオーケストラを隠れみのに、ユダヤ人の国外脱出を手助けしていたという。マエストロ・ヒデマロはいかにしてその大胆な試みを企て実行していったのか。亡命オーケストラの謎がいま初めて明かされる。壮大な交響曲と高精細映像でつづるサスペンス紀行!

※筆者談話
写真、「水谷川忠俊」さんと番組出演に名があって、久しぶりお元気そうな顔拝見しました。案内役の玉木宏も適役でした。今回の番組は、現地取材が豊富で秀逸なドキュメントでした。やはり歴史に名を残すというのは大変なことで、さらに国際的評価を得るのは至難のわざです。なにしろ「近衛」姓は平安時代からですから、それだけでも大変なことです。マエストロ近衛秀麿について記事ブログをかいてみましょう。8月4日ころの予定。






挑戦を続ける真田広之、「倒れたところがゴール」
ORICON NEWS 2017年7月1日 8時40分
2003年に『ラストサムライ』でトム・クルーズと、そして2013年には『ウルヴァリン:SAMURAI』でヒュー・ジャックマンと共演するなど、ハリウッドで活躍中の真田広之。国際宇宙ステーション内で起こる惨劇を描いた最新出演作『ライフ』(7月8日公開)では、システムエンジニアのショウ・ムラカミ役で出演をしている。米アカデミー新会員にも招待され、世界で挑戦を続けている真田が、ハリウッドの撮影秘話や全編英語での芝居の難しさなどを語ってくれた。

【画像】ラストサムライ
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■英語力、体力、精神力…俳優として高度な技術を要求されるハリウッドの現場

 真田が演じたのは国際宇宙ステーション(ISS)に集結した6名の宇宙飛行士のうちの一人。物語は、宇宙飛行士達が無人探査機を回収するところから始まる。無事に回収し、火星で採取した土壌から地球外生命体を発見する。真田は今作の脚本を読んで“明日にでも起こりうるお話だと思った”と言う。

 「現実味のある話をストレートに描いていて、シンプルながらも非常に深いメッセージのある脚本だと感じました。人類が地球外生命体と初めて向き合った時に、どう対処すべきなのかということも提示しながら、宇宙飛行士達のヒューマンドラマもきちんと描かれています。なかでも僕が演じたショウは6人のクルーの中で唯一、家族のことなどプライベートな部分が明かされていくので、非常に演じがいのある役でした。彼はシステム・エンジニアで最年長のベテランクルーなのですが、更にある程度年齢がいってから初めての子供ができたこともあって、幸せな気持ちと同時に大きな不安も抱えているんです。生きて地球に帰りたいという思いと、任務を遂行しなければいけない責任感との板挟みになりながらも“地球を救う=家族を救う”ことを優先させる。そういった人としての深みという部分が、この役を演じる一番の原動力になっていたように思います」

 撮影現場について無重力を表現するために最長で4時間もハーネスに吊られっぱなしのなか芝居をすることもあったという。体力的な面でもハードだが、そこに全編英語の台詞やシステムエンジニアという特殊な役柄も加わり想像以上に大変だったとハリウッドの撮影現場を振り返った。

 「初めて全編無重力状態のお芝居をする撮影で体力的に大変だったのはもちろんですが、更に台詞を話しながら全てのコンピューターや機材をエンジニアらしく扱わなければいけないという大変さも加わりました。セットがリアルに作られていて全てのスイッチがライトやモニターなどと実際に連動していたので、僕はスイッチを間違えて押さないように必死で(笑)。特に後ろから撮る場合はライトやモニターが全て映りこんでしまいますから、完璧に覚えないといけませんでした。監督はそういうハードな環境にわざと僕らを放り込んで、もがいている姿をドキュメントのように撮っていく手法をとったのではないかと(笑)。そのほうが僕らも集中できましたし、世界に入りやすかったのでとても感謝しています」
■アドリブが飛び交う“世界での仕事”

 今作で医師のデビッド・ジョーダン役を演じているジェイク・ギレンホールは『ブロークバック・マウンテン』や『ナイトクローラー』などに出演している実力派俳優、そして検疫官ミランダ・ノース役のレベッカ・ファーガソンは『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でトム・クルーズと共演し、同シリーズの新作にも出演するなど注目の女優だ。航宙エンジニアのローリー・アダムス役のライアン・レイノルズは『デッドプール』の制作と主演を務めコメディからアクション、ドラマなど様々なジャンルの作品に出演している人気俳優である。そんな彼らと英語で芝居をした感想を語ってくれた。

 「ジェイクとライアンは過酷な撮影の中でもずっと冗談を言い合っていました(笑)。終始“このシーンでそこまで笑うかな? 笑わせるかな?”といった感じだったのですが、おかげでみんなリラックスできました。その反面、怖いシーンでは気持ちを切り替えて集中して撮影に挑めたので、あえて彼らはジョークを飛ばしてくれていたのかもしれませんね」

 「レベッカとはちょうど撮影中に同じスタジオでトム・クルーズが映画『ザ・マミー/呪われた砂漠の王女』を撮っていて、レベッカも僕もトムと共演しているので、2人で一緒にトムをサプライズで尋ねてみようと話していたんです。でも、なかなかタイミングが合わなくて結局会えずじまいでした。彼女は、チームワークを作る上で要となる存在でした。スタッフやキャストのジョイント役をしながらもストイックに自らの役をこなしていく姿は素敵でしたね。」

 「ライアンは彼は今作の監督とは2度目で、全幅の信頼を置かれていたせいかアドリブも多かったです。そんなわけでジョークを言うシーンは毎回こらえるのが大変なほど本気で笑っていました。彼がアドリブで投げかけたものに対してこちらもアドリブで返さなければいけなかったので、面白さとプレッシャーの両方を味わえました。ショウの子供が生まれてクルーのみんなに紹介するシーンで“それ父親は誰かわかってる?”なんてローリーに言われてショウが“Shut up!(うるせえよ!)”と返すシーンは実はアドリブです(笑)。そういうセッションを楽しむためにも日頃から英語の能力を磨いておかないとダメですね。緊張感がありますし、受験生気分で勉強しています。日頃からレッスンするのも大事ですが、現場で実際に英語を使って芝居をするのが一番の上達方法かもしれませんね」

■「倒れたところがゴール」

  「どこに辿り着きたいというのは今は特に無い、倒れたところがゴール」という真田。今後の目標を聞いてみると、最後はこんな言葉で締めくくった。

 「今までの経験を元に、役の幅、言葉の幅、難度…どこまで守備範囲を広げられるか、ということを続けています。そうしてたどり着いた景色を見て、その時感じた自分の心に従って道を選択していく。“これをやったら本望、卒業”というものはありません。結果の積み重ねでたどり着いたところが終着点。役者は引退のない仕事ですので、倒れたところがゴールだと思っています」

 「僕が初めてロイヤルシェイクスピアカンパニーに飛び込んだのが30代後半で、ロスに引っ越したのは45歳の時。まさに“四十の手習い”で英語を始めました。そうあるべきだと思ったことに従ったわけです。何かを決める時はリスクもありますが、“やりたいことに飛び込んだ自分”と、“飛び込むのを諦めた自分”の10年後を比較してみてどっちがいいか考えました。一度きりの人生、自分を信じるのか信じないのか。環境次第ではありますが、環境作りも自分の仕事です。大変なことも含めて楽しんで欲しいと思います」

(記事引用)





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“超黒字”JR東海に公的資金3兆円投入!?
リニア建設資金不足で、やっぱりツケは国民に…
2017年7月1日 6時0分 週プレNEWS  
2027年に品川-名古屋間での開業を目指すリニア中央新幹線。JR東海は当初、「自己資金で建設する」としていたが、工事は遅々として進まず、資金不足の恐れが出てきた。
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そこで昨年6月、政府は3兆円の公的資金投入という決断を下していたのだが…本当に予定どおりに完成するのか!?

■「返済が怪しくなったら担保を検討する」

JR東海が2027年に開通を目指すリニア中央新幹線(以下、リニア)。

最高時速500キロという超高速で東京・品川駅から愛知・名古屋駅までの286kmを40分で結ぶ計画だ。さらに大阪・新大阪駅まで延伸しての開通予定は37年で、438kmの距離を67分で結ぶ。まさに“夢の乗り物”である。

だが、その実現を疑問視する声は以前からあった。というのも、07年末、JR東海は「自己資金でリニアを建設する」と公表したが、その資金が「ない」からだ。

リニアの総工費は実に約9兆円。国土交通省によれば、「品川-名古屋間の建設費約5兆5千億円のうち、約2兆5千億円は東海道新幹線の収益を充てられる」から、当面は差し引き3兆円あればいい。だが、この3兆円がない。

全産業での営業利益率(売り上げに占める営業利益の割合)の平均は2.5%。ところが、JR東海は東海道新幹線を稼ぎ頭に毎年のように最高益を更新し、15年度で33%という断トツの利益を上げている。営業利益約5600億円の“超黒字”企業だ。

だが、それでも目標としていたリニアの「自己資金建設」には届かなかった。同社の「平成28年3月期決算短信」を見ると、純資産額は2兆2199億円。巨額ではあるが、3兆円分の担保がない以上、銀行がJR東海に対して貸し渋りするだろうと予測されていた。

そんななか、昨年6月1日、安倍首相が「リニアに財政投融資(以下、財投)を活用する」と表明。その額3兆円。

JR東海の当初計画では、27年の品川-名古屋間の開通 後に8年ほど工事をストップし、その間にリニア建設で細くなった財政基盤を回復させ、35年から工事再開、45年に大阪開通というもの。だが、安倍首相は財投による3兆円を品川-名古屋間の建設に投入すれば、名古屋-大阪間の竣工(しゅんこう)を最大8年前倒しして、37年には開通できるとの見込みを発表したのだ。

その3兆円の融資の内訳を見ると、「返済は30年据え置き」(通例5年)、「返還期間は10年」「利子0.6~0.8%」(一般的な銀行融資は3%前後)、そして「無担保」という“超”がつくほどの好条件である。

財投はひと言でいうなら「公的資金」。税金ではない。「国債」(財投債)を利用した大型事業への資金集めの仕組みだ。

流れとしては、「財務省が国債を発行する」→「金融機関が国債を購入する」→「財務省は、得た資金を政府系の特殊法人である『財投機関』(全35組織)に融資する」となる。15年度にはこの制度で約11兆円が財投機関に融資されている。

財投はその巨額さから、「第二の国家予算」と呼ばれ、政策的見地から財投機関に融資されてきた。民間企業では対応が困難な大規模プロジェクトをサポートすることが目的であり、財投機関はまさしくそれを実施する組織だ。

例えば、もんじゅを建設した「日本原子力研究開発機構」、高速道路を建設した「旧・日本道路公団」、長良川河口堰(ぜき)を建設した「水資源機構」や、東京湾横断道路(アクアライン)を建設した「東京湾横断道路」などに融資してきた。だが、JR東海は、財投による融資を受けられる財投機関ではない。

では、JR東海への3兆円融資はどうやって行なわれたのか。カラクリはこうだ。

JR各社の新幹線を建設する「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」(以下、支援機構)という独立行政法人がある。実はこの支援機構が財投機関なのだが、この金融機関ではない組織に融資機能を持たせ、支援機構経由でJR東海にリニア建設資金の融資を可能にする「鉄道建設・運輸施設整備支援機構法」の改正を行なったのだ。

その動きは早かった。昨年10月26日と11月10日、衆参両院の国土交通委員会で法改正が審議され、即日可決。本会議でも可決されると、さっそく11月29日に、支援機構はJR東海に5千億円を融資した。以降、今年1月、3月と5月にもそれぞれ5千億円ずつ融資され、今後7月と9月にも5千億円ずつ融資予定で、計3兆円の投入が実現する。まさにリニア並みのスピード融資である。

ちなみに、筆者は衆議院の審議を傍聴したのだが、「自己資金」から「公的資金」へと方針が真逆に変わったことについて、「リニア建設の大前提が崩れた」と切り込んだのは共産党議員だけ。審議は即日可決した。

条件もプロセスも、すべてが異例のこの3兆円融資について、支援機構の広報部に聞いた。

―なぜ3兆円もの巨額を無担保で融資できたのか?

「融資とは必ずしも担保がないからできないというものではありません」

―でも、JR東海が返済不能に陥ったらどうする?

「返済が怪しくなったら、そのときに担保を検討します」

一般の金融機関ではまずありえない見解だ。

■建設費は当初予定の9兆円から増える!?

前述した昨年6月1日の安倍首相の「財投活用」会見を受け、同日、JR東海の柘植康英(つげ・こうえい)社長は「総理よりリニア名古屋-大阪間の早期開業を支援するご発言があり、大変ありがたい」と記者会見で歓迎の意を示した。

これには環境・騒音などの問題からリニア建設に反対する計画沿線の市民団体から「大丈夫か」と不安の声が上がった。

というのも、JR東海は07年に「自己資金で建設」と公表し、国交省も「JR東海の資金繰りに問題ない」と判断し、同社に対して、建設に必要な環境アセスメント(環境影響評価)の手続きに入ることを指示。それを受け、JR東海は手続きのひとつとして、各地で約150回の住民説明会を開催し、「政府の援助は受けず、自己資金で建設」と明言していたからだ。そうして14年10月、国交省はリニア計画を事業認可している。

「リニア新幹線沿線住民ネットワーク」の天野捷一共同代表はこう疑問を投げかける。

「事業認可後に、トップが3兆円もの公的資金を歓迎するなんて、『自己資金でやる』との前提で進めてきた手続きをすべて無にするものです」

トンネルを掘る際に出る残土の処分先のめどが立たず、いまだ本格着工に至っていないリニアの現状を見れば、工費はかさみ、さらなる公的資金投入が必要になるかもしれない。そもそもJR東海の見込みが甘すぎだったのではないか。そんないいかげんな事業計画にもかかわらず、環境面への影響はまったくないといわれても信用するのは難しい、というわけだ。

もともと市民団体は、リニアの建設費が9兆円では済まないと予想していたという。

「大型公共事業が当初予算で竣工した事例はほとんどないです。例えば、上越新幹線は当初の建設費約4800億円が3倍以上の約1兆7千億円で、東北新幹線も約1兆8千億円の予定が倍の約3兆6千億円で竣工しました。リニアはその86%がトンネルで難工事が予想され、工期が延びて工費がかさむ可能性が大です」(天野氏)

天野氏ら市民団体は13年以降、何度も国交省と交渉し、筆者が覚えているだけでも3回、「資金ショートしたら国税投入するのか?」と質問している。その都度、国交省は「ありえるとも、ありえないとも言えない」と含みのある回答をした。

フタを開けると、国税ではなく財投の発動となったが、財投と税金は無縁ではない。

財投の事業が赤字だと、その返済は税金で補ってきたからだ。一例を挙げれば、JRの前身「国鉄」の負債28兆円や、国有林の管理会社「国有林野事業特別会計」の負債4兆円を税金で補った前例がある。

そして、利子が0.6~0.8%と安いが、建設中に資金ショートした場合はどうなるのか。再び兆単位の財投を発動させるのか。これを支援機構に問うと、「ケース・バイ・ケースです」と回答された。

さらにもうひとつ。

13年9月、JR東海の山田佳臣(よしおみ)社長(現会長)は記者会見でこう公言している。

「リニアは絶対ペイしません」

それでも、JR東海は「東海道新幹線とリニアを合わせて、乗客は1.5倍になるから採算性がある」と説明するが、アラバマ大学名誉教授で、著書に『リニア新幹線 巨大プロジェクトの「真実」』がある橋山禮治郎(れいじろう)さんは「国民にツケが回る」と指摘する。

「リニアの乗客が増えても、多くは東海道新幹線の乗客が移るだけ。採算性は国会で徹底議論すべきです。でないと、国民が負担を背負うことになりかねない」(橋山氏)

もし、JR東海が財投を返済できず、3兆円を国税負担することになったりすれば、国民ひとり当たり3万円の負担。建設費がかさめばそれ以上になる。

トップ自らが認めた「ペイしない事業」を十分な議論や検証もなく推進するこの体制は、今後も立ち止まることはないのだろうか。

(取材・文・撮影/樫田秀樹)
(記事引用)





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